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CIOは枕元に携帯電話を置く

  • 谷島 宣之

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2006年8月28日(月)

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 「情報システム担当役員の仕事はどんなものか? うーん。これを持つことだなあ」

 こう言って、大手銀行の常務は内ポケットから、携帯電話をつまみ出した。「CIO(最高情報責任者)というのは、要するに何をするのですか」と尋ねた時に返ってきた答えである。

 聞けば、常時電源を入れた携帯電話を持ち歩くようになったのは、情報システム担当役員になってからという。情報システムに何か障害が起こった時に、システム担当者たちが、この役員にすぐ連絡を取れるようにしておくためだ。

 常務は夜、寝る時にも電源を入れた携帯電話を枕元に置いている。夜間、情報システムに問題が発生すると、枕元で携帯電話が鳴り響く。常務の自宅から銀行の情報システムセンターまで、車を飛ばせば30分で着く。銀行の情報システムは夜間も動いており、昼間行われた様々な取引の清算などをしている。この夜間処理が滞ると、翌朝にATM(現金自動預け払い機)を動かせなくなる。トラブルが起きたら翌朝までに何らかの手を打って解決しなければならない。

 もっとも、この常務は、企画部門の出身であり、コンピューターは素人と言ってよい。情報システムに問題が発生した時、素人の役員を携帯電話でたたき起こし、現場に呼び出すことにどれほどの意味があるのか。

 「正直言って僕はコンピューターのことは何も分からない。ただ、問題が起きた以上、責任者は現場にいないといかんだろう。最後に判断して責任を取るのは僕だからね。システム担当者がこうしたい、と言ってくればそのまま承認する。迷って2つの案を持ってきた時は、説明を聞いて、えいやっと決める」

 こう書くといい加減に仕事をしているようだが、この常務は日頃から、現場のシステム担当者に接し、システムに関する説明を聞くことを心がけている。相当に勉強しているわけだが、それでも技術的なことの判断ができるわけではない。最後の最後は、腹をくくって決めるしかないのである。

「携帯を2台持つのは当然です」

 携帯を持った役員に連絡をする現場の担当者たちも当然、携帯電話を持ち歩く。特に、情報システムを動かす「運用担当者」になると、非番の時は別にして、普段は24時間電源を入れ続け、万一の時に備えている。企業から携帯電話を配布されている運用担当者は少なくない。

 数年前、仕事用の携帯電話と個人用の携帯電話を2台持つのは大変である、1台にまとめることは可能か否か、といった趣旨のコラムが、弊社のウェブサイトに掲載された。エンジニアの読者からは、あまり評判がよろしくなく、コラムへの批判がウェブサイトに書き込まれたと記憶している。

 知り合いのシステム運用担当者に会って雑談をしていた時、当該コラムを読んでいたその担当者から直接、苦言を呈された。「記者さんて、システム運用担当者の実態を本当にご存じないのですね。我々の仕事をしていたら、個人用と仕事用に、携帯電話を2台持つのは当たり前です」。

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