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“チキンタックス”を知っていますか?

撤廃で米ピックアップトラック市場は激変する

  • 武谷 匡城

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2006年9月5日(火)

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 “チキンタックス”と言っても、一般の読者には聞きなれない言葉かもしれない。時は1963年にさかのぼる。当時ドイツ政府は米国産冷凍鶏肉の輸入に対して、不平等な関税を課していた。米国政府は報復として、でんぷん食品、ブランデー、小型トラックに25%の関税を課した。主にドイツから輸入されていたフォルクスワーゲンの小型ピックアップトラック(以下、ピックアップ)の輸入を制限するのが狙いだった。79年には報復関税は撤廃されたが、ピックアップへの25%の輸入関税は、現在も存在する。これが、いわゆるチキンタックスと呼ばれる関税のことだ。

 チキンタックス戦争によって、価格競争力を失ったフォルクスワーゲンはもとより、日産自動車も、当時“ダッツン・トラック”として親しまれていた1トンサイズのダットサン・トラックの輸出を中止せざるを得なくなった。その後、米国で販売される小・中型のピックアップはすべて米国の現地生産車に変わってしまった。その他の完成車の輸入関税が2.5%だから、実に10倍の関税がかかっていることになる。自動車メーカーとすれば、ピックアップの輸出を諦めるか、現地生産するか、いずれかの選択肢しかなかったのだ。

UAWは撤廃に徹底抗戦

 ブッシュ政権、米ビッグ3の自動車メーカー、全米自動車労働組合(UAW)、輸入車ディーラー協会(AIADA)を巻き込んで、“チキンタックス”の撤廃か継続か、論争が繰り広げられている。タイの政治危機により、2国間自由貿易協定の締結に向けての協議は頓挫しているが、ブッシュ政権は引き続き、タイをはじめASEAN(東南アジア諸国連合)諸国との自由貿易協定(FTA)の締結に力を注いでいる。

 タイとのFTAが締結されれば、ピックアップへの輸入関税が完全撤廃されなくとも、段階的に削減されることになるだろう。UAWは、世界第2位のピックアップ生産大国であるタイから大量の低価格小型トラックが流入することによって、米国労働者が雇用機会を失うとして、チキンタックスの撤廃はもちろんのこと、タイとのFTA締結にも徹底抗戦の構えを見せている。

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