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IBMに勤続42年の役員がいる訳

2006年9月19日(火)

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 「ニックさん、42年間も同じ会社に勤めているというのは珍しいですよね」。日本IBMの北城恪太郎会長は、隣に座っていた人物にこう話しかけた。北城会長の隣にいたのは、米IBMのニコラス・ドノフリオ エグゼクティブバイスプレジデントである。ドノフリオ氏は、半導体の技術者としてIBMに入り、ワークステーションや大型コンピューターの開発部門を指揮し、現在はサミュエル・パルミサーノ会長兼CEO(最高経営責任者)に次ぐナンバーツーになっている。

 冒頭の発言は、日本IBMが9月14日、都内のホテルで開いた「グローバル・イノベーション・アウトルック・サロン(GIOサロン)」という催しで出た。GIOサロンには、日本企業の経営トップが集まり、ビジネスのイノベーションについて議論がなされた。会議の冒頭、スピーチに立ったドノフリオ氏が「IBMに勤務して42年になる」と述べたことを受け、後半に行われたパネルディスカッションの際、北城氏が声をかけたのである。

 IBMはかつて、米国企業では珍しい終身雇用制を取っており、長期間勤務している社員が多かった。しかし、ルイス・ガースナー前CEOが就任し、IBMを改革したあたりから、普通の米国企業になっていく。ドノフリオ氏は、技術面に関してガースナー氏を支えてきた経営幹部であり、本来ならパルミサーノ氏がCEOになった時に引退していてもおかしくはない。

「俺の目を見て話せ」と凄んだガースナー氏

 ドノフリオ氏とガースナー氏を巡ってはなかなか面白い逸話がある。ガースナー氏が1993年にIBMへ着任し、IBMの状況について一番初めにレビューをした経営幹部がドノフリオ氏だった。初対面のドノフリオ氏が、オーバーヘッドプロジェクターを使ってプレゼンテーションを始めたところ、ガースナー氏はいきなりプロジェクターのスイッチを切り、「俺の目を見て話せ」と凄み、ドノフリオ氏が凍りついたという話が残っている。

 この一件は、瞬く間に全世界のIBM社員に伝わった。筆者は当時、ある日本IBM社員から英文の電子メールを見せてもらった。そこには上述したような、ドノフリオ氏とガースナー氏のやり取りが書かれていた。

 ガースナー氏にとってもこの件は印象的であったらしく、自著『巨象も踊る』の中で次のように書いている。

 ドノフリオが二枚目のファイルについて説明しかけたとき、わたしはテーブルに歩み寄り、チームのメンバーを前に、できるかぎり丁重にプロジェクターの電源を切った。気まずい沈黙がしばらく続いた後、わたしはひと言こう言った。「事業について話をしよう」。(中略)その日の午後には、わたしがプロジェクターの電源を切ったことを知らせる電子メールが世界中を駆け巡っていた。

 ただしガースナー氏はドノフリオ氏を高く評価していた。ガースナー氏はIBMを立て直したことになっているが、再建の切り札となったのが主力製品である大型コンピューターの大幅値下げであった。その値下げを可能にしたのは、大型コンピューターの技術革新であり、ドノフリオ氏はそのプロジェクトも指揮を執った。ガースナー氏は先に引用したくだりの後、次のように書いている。

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「IBMに勤続42年の役員がいる訳」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BPビジョナリー経営研究所

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者、2009年1月から編集長。2013年から現職。プロジェクトマネジメント学会員、ドラッカー学会員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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