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三菱「i(アイ)」はおじさんキラーだった

  • 牧野 茂雄

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2006年9月21日(木)

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 三菱自動車工業の「i(アイ)」は、その商品企画からスタイリング、メカニズム、さらには「走り」の味つけまで、実に見どころの多い軽自動車である。2003年の東京モーターショーに参考出品された「アイ」と「セロ(SE・RO)」は共通のプラットホームを使っていた。当然、三菱としても、「アイ」で開発した新規プラットホームの展開も含め、商品バリエーションの充実を考えている。その方向を探ってみる。

アイ
「i(アイ)」は、斬新なデザインとともに素直な操作性が魅力だ

 自動車は「走らせて」ナンボだ。置物ではない。ところが、最近は「走らない」クルマが目につく。私が言う「走り」は、「加速が鋭い」とか「ハンドルを切るとシャープに曲がる」という話ではない。もっと基本的なことだ。人間が操り、人間を乗せて走ること。サーキットではなく一般道を、交通の流れに乗って走ることだ。渋滞路での、歩く速度ほどの状態から、高速道路での時速100キロメートルまでを、それぞれの速度域に求められる条件を満たして走ることである。その点において「アイ」は、とてもよくできている。

 660ccターボエンジンは、低い回転域からトルクが立ち上がる。アクセルペダルをゆっくりと踏み増すと、その踏み込み量の数ミリに対してエンジンがほどよく反応する。アクセルペダルを止めれば、そこでトルクの上昇も止まる。再び加速させたいと思えば、アクセルペダルを踏み込んでゆく「踏力」に比例してじわっとトルクが増える。ドライバーは「もう少し力が欲しい」と思ってアクセルペダルを踏み増すわけであり、それにきちんと反応してあげれば、余計にアクセルペダルを踏ませることもなく燃費に有利。エンジントルクの出方が素直であるということは、まず、自動車の基本だと思う。

粗暴さがない「おっとり」した乗り味

 しかし、低速域で車速を管理しやすいクルマは意外と少ない。ガソリン(オットーサイクル)エンジンは、シリンダーに導く空気量を調節して出力/トルクを変えるのだが、アクセルペダルの最初の数ミリで空気量がドッと増えてしまう「いきなり加速」型のクルマが日本車には多い。この方が「出足がいい」と思われるためだろう。

 しかし、50ヤードのアプローチショットにドライバーを使うゴルファーはいない。求める飛距離に合ったクラブを誰もが自分の経験の中で選ぶ。同様に、「いつでもビュッと飛び出す」クルマは迷惑であり、知らず知らずのうちにドライバーは神経を使い、燃料をムダにし、余計に疲れる。「アイ」には、こういう粗暴なところがない。

 ブレーキを踏んで減速し、カーブの手前でハンドルを切るという操作に対しても、「アイ」は自然に反応してくれる。ブレーキペダルの反応も、アクセルペダル同様に人間の感覚に対して素直。ハンドル操作も「曲がりたい」量だけ切れ角が出る。EPS(電動パワーステアリング)に多く見られる「制御過多」な人工的感触が少ない。また、カーブを曲がる時の姿勢は、適度にロールする。旋回時に外側に車体が傾く「ロール」をあえて消さず、ドライバーに「今クルマが旋回している」という状況を知らせてくれる。ロールするからドライバーはカーブ手前で減速する。

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