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世界の特許制度が統一される日

2006年10月2日(月)

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 近頃こんなにうれしい話題も珍しい。9月26日の日本経済新聞によれば、日米欧が合意して、世界の特許制度がやっと統一に向かって動き出したということである。

 ご存じない方はびっくりされるだろうが、今まで特許制度は世界的に統一されておらず、皆、大変な思いをしていた。といっても世界各国の制度がバラバラだったというわけではなく、唯一米国だけが他の国々と違う制度を取っており、他の国々がそのわがままをもてあましていたというわけだ。

 その米国が、固執していた「先発明主義」をやめて、「先出願主義」を採用することに合意をしたという。これは朗報だ。

出願した時点か、発明した時点か

 「先出願主義」では、特許庁に申請書を提出した日をもって権利が発生する。この方式なら特許公報を注意していれば、誰がどのような特許を持っているかを知ることができるし、誰に優先権があるか明確で、確立した権利関係が覆ることはあまりない。

 ところが、「先発明主義」では、「先に発明した」ということが証明されれば、出願はたとえ他者より遅くても、特許として認めるのだ。

 この制度がちょっとまずいのは、ある人がいつ発明したかを客観的に証明するのは大変難しいということと、権利が確定しないことだ。ある人の特許を皆がライセンスを受けて使っているところに、「俺はもっと前に発明した。俺が本当の権利者だ」という人が出てくれば、今まで払っていたライセンス料は何なんだということになる。

 ひどい例では、みんなが「公知の技術」であると思って、自由に使って商売をしているところに、突然「ところで君らの作ってるモノはワシが昔発明して、最近成立した特許に抵触するんだがネ…」と登場して、皆からライセンス料を取り立てるという例があった。

 これは、突然特許が浮上してくるので、「サブマリン(潜水艦)型特許」と呼ばれる。

日本メーカー約300社に送りつけられた警告状

 1990年代の初め頃世界の工作機械業界を震撼させた「モーリンス特許」がサブマリン型特許の好例だ。

 イギリスのタバコ製造機械会社モーリンスはコンピューター制御のパレット搬送によるFMS(フレキシブル生産システム)を考案したとして65年に日米英独に特許を申請した。日本とドイツでは「新規性は無い」として拒絶された。英国では67年に成立したが既に20年を経過していたので特許は切れていた。

 ところがアメリカでは10年余りぐずぐずした挙句、83年にやっと成立した。先願主義の国では、「特許の期限は申請してから何年」というふうに決まっているからとっくに時効なのだが、アメリカは「成立してから17年」ということになっているから、2000年まで有効というわけである。

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「世界の特許制度が統一される日」の著者

橋本 久義

橋本 久義(はしもと・ひさよし)

政策研究大学院大学名誉教授

政策研究大学院大学名誉教授。東大卒後、通産省入省、製造業担当。1994年埼玉大教授。97年政策研究大学院大学教授、2011年から現職。現場に近いところで行政を・学問を!をモットーに多数の工場を訪問。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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