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「企業同士の垂直連携を組み込んだ
産学連携を進めています」

京都大学、ローム、東京エレクトロンの3者で製品開発

  • 丸山正明

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2006年10月3日(火)

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 現在のシリコン(Si、ケイ素)製半導体に代わるものとして、炭化ケイ素(SiC、シリコンカーバイト)製半導体の需要拡大が期待されている。8月3日、半導体メーカーのロームは、京都大学と東京エレクトロンとの3者で、炭化ケイ素製半導体の実用化に不可欠な製造装置のプロトタイプ機を共同開発したと発表した。

 産学連携によって開発されたプロトタイプ機は「炭化ケイ素エピタキシャル膜成長装置」と呼ばれる製造装置で、結晶構造がきれいに整った炭化ケイ素の結晶を作るもの。ロームは近未来の電源などを支えるパワー半導体デバイスは、炭化ケイ素製半導体デバイスが主役を務めると予測する。パワー半導体デバイスでは、現在のシリコン製半導体が近々限界に達し、炭化ケイ素製に代替されると読んで製品化を進めていた。

 この結果、炭化ケイ素製半導体で優れた研究成果を上げている京都大学と、炭化ケイ素製半導体デバイスを実用化する共同研究を始めた。この共同研究では、有力な半導体装置メーカーである東京エレクトロンと垂直連携するという“産産連携”を組み込み、京大との3者による産学連携態勢によって、プロトタイプ機の開発に短期間で成功した。

 ロームは産学連携に熱心な企業として知られる。研究開発本部長を務める高須秀視取締役に、産学連携による共同研究の効用を聞いた。

シリコン製半導体では限界に突き当たる

――京都大学と産学連携による共同開発を始めた経緯は。

図版
ロームの研究開発本部長を務める高須秀視取締役。立命館大学や早稲田大学の客員教授も務めている

高須 京都大学での共同研究の相手は、大学院工学研究科の木本恒暢教授です。炭化ケイ素製半導体の世界的な権威として知られる研究者です。

 ロームは、炭化ケイ素製半導体の研究成果について世界中の研究拠点をウオッチし続けています。現在、炭化ケイ素製半導体の研究拠点の中で、特に秀でている研究拠点は日欧米にそれぞれ1カ所ずつ、合計3カ所あると見ています。中でも、京大の木本教授の研究グループは世界を牽引するトップランナーだと思います。

 正確に言えば、木本教授の先生に当たる松波弘之教授 (現在、科学技術振興機構研究成果活用プラザ京都館長)の時代から、半導体向けの炭化ケイ素の研究成果に着目し、適時お話を伺っていました。

 ロームの所在地である京都市に世界トップの研究拠点があるわけですから、共同研究によって炭化ケイ素製半導体デバイスの実用化を加速しようと考えるのは自然なことでした。今回の製造装置の共同開発は、2005年4月に東京エレクトロンを含めた3者で共同研究契約を交わした成果です。

――炭化ケイ素製半導体デバイスとはどんなものですか。

図版
炭化ケイ素エピタキシャル膜成長装置のプロトタイプ機(写真はロームなど3者が提供)

高須  半導体デバイスの一種に、「パワーデバイス」と呼ばれる、電源向けの半導体があります。簡単に言えば、高電圧・高周波の大電流でも使える電源向けなどの半導体です。

 例えば自動車メーカーは、10年後に販売するハイブリッド自動車や燃料電池搭載自動車の電源に組み込むインバーター向けパワーデバイスに対して、電圧・電流が600ボルト・200アンペアで稼働するという厳しい仕様を提示しています。この仕様を満たすパワーデバイスが無いと、ハイブリッド自動車や燃料電池搭載自動車の性能向上は難しいことになります。

 こうした高電圧・高周波域で使えるパワーデバイスは、現在主流のシリコン製半導体の改良版の延長では無理だと判断しました。省エネルギー化や小型化が難しいからです。これに対して、炭化ケイ素はシリコンに比べて、絶縁破壊電圧が高いなどの性質を持つため、高温で稼働し、エネルギー損失が小さいので省エネルギー化や小型化が容易です。

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