有料老人ホームのM&A(合併・買収)が活発化している。今年7月には大手介護企業のコムスンが、「桜湯園」のブランドで知られる日本シルバーサービスを買収し注目を集めた。大手企業が業績の悪化した有老ホームを買収するだけでなく、複数の中堅事業者がファンド(基金)の力を借りて組むケースも登場し、その形態は多様化している。
生き残れるのは3、4社との見方も
「有料老人ホーム市場で最終的に生き残れるのは、上位3、4社くらいではないだろうか」。最近、有老ホームを運営する企業の間で、こんな認識が広まりつつある。施設数の急増による入居者確保の競争激化や、自治体の開設規制の強化など、年々、経営環境が厳しくなる中、現在数多くある事業者は淘汰され、数社に絞られるのではないかという予測だ。
2000年に介護保険制度がスタートして6年が経った今、その動きがいよいよ本格化し始めた。大手企業を軸に有老ホームのM&A(合併・買収)が活発化しているのだ。
大手の事業拡大の一手法に
これまで有料老人ホームを巡るM&Aと言えば、入居率が伸び悩んで資金繰りが悪化した施設を、他の事業者が“救済”の意味で買収または事業継承するのが一般的だった。こういった破綻例は個人経営の有老ホームに多く、今でも度々見かけられる。
ただ最近では、M&Aの目的が変わりつつある。その1つの流れが、大手企業が事業展開にかかる時間を省くためにM&Aを手がけるというもの。いち早く“陣地”を確保して、他社との勢力争いで優位に立とうという狙いがある。
2005年3月に居酒屋業のワタミが旧・アールの介護(現・ワタミの介護)を買収したケースは、その代表例だ。そして今回、コムスンが今年7月に、「桜湯園」のブランドで35施設の有老ホームを展開している日本シルバーサービスの株式を3億7000万円で取得したのも、事業拡大のための“時間”を買う意図があった。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。










