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JFEスチール 「スチール研究所」

徹底した顧客志向で新技術のニーズを先取り

  • 高橋 史忠

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2006年11月27日(月)

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 8月30日の夕方、千葉市のJR蘇我駅に程近いパーティー会場で盛大な祝宴が催された。JFEスチールのスチール研究所が千葉工場内に開設した研究施設「カスタマーズ・ソリューション・ラボ(CSL)」の1周年を祝うパーティーだ。

 「みなさんの努力で、CSLは1年目に予想以上の成果を上げた。2年目はさらなるサプライズを用意して発展していこう」

 同ラボを発案したスチール研究所の影近博所長(専務執行役員)は、出席した研究者や営業担当者など100人を超える社員を前にこう話した。同施設の1年目の成功を慰労しつつ、2年目のさらなる飛躍に向けてハッパをかけたのだ。

1年間で600人が来訪した技術展示

 CSLは、自動車用鋼材の研究に特化した戦略拠点。建物の中には、スチール研究所が自動車向けに開発した新しい鋼材や加工技術などの展示がずらりと並ぶ。実はこの施設、開設以来、自動車関連メーカーが次々と見学に訪れ、客足が途絶えたことがない。1年目は「千客万来の状況」(影近所長)。顧客の訪問件数は、1年間で延べ約150件、人数にして同600人ほどと、開設前より大幅に増えた。見学を契機に来訪者が新技術に興味を示すことも多く、共同開発の案件は倍増した。

図版
JFEスチールが千葉工場に開設した「カスタマーズ・ソリューション・ラボ(CSL)」

 1台をまるごと解体した自動車の骨組みなどの展示が素材メーカーの研究所としては異彩を放つものの、一見すると製造業の研究所にありがちな単なる技術展示スペースでしかない。にもかかわらず、なぜこの施設がこれだけの人気を集めたのか。

 最大の特徴は、研究者が顧客と一緒になって共同作業できる実験スペースを設けている点にある。訪れた客は、開発成果の現物を手に取りながらスチール研究所の研究者と議論を交わせるほか、実験スペースで素材や加工技術の評価、その場の議論から生まれた新しいアイデアを実際に試すことも可能だ。

 それだけではない。訪問者の多くは自動車関連メーカーの技術者で、新車開発に向けた技術の種を探しに訪れる。このため、展示技術の内容は訪れる顧客ごとに見直し、その都度変更する。それぞれの顧客のニーズに展示内容を合わせることに加えて、そのニーズが他の顧客に漏れないようにするという配慮からだ。こうした単なる技術展示スペースではない特徴が広まり、ここにきて2度、3度と足を運ぶリピーターも増えているという。

 「展示や実験スペースの内容は来訪者にサプライズを感じてもらえるように日進月歩でダイナミックに変えている。2度目に訪れた顧客が前回と同じと感じたら、3度目はない」(影近所長)

 徹底した顧客志向――。CSLは、スチール研究所の今を象徴する取り組みの1つだ。客先の製品開発の初期段階から一緒に鋼材を開発。ニーズを引き出しながら、製品コンセプトに合った技術を提案していく。「アーリーベンダーインボルブメント(EVI)」と呼ぶ活動である。

汎用鋼から高級鋼へシフト

 こうした取り組みを加速する背景には、主力となる商品群を汎用鋼から、付加価値の高い高級鋼へとシフトするJFEスチールの戦略がある。同社が考える高級鋼は、特定の顧客や用途に向けた鋼材を指す。個別の顧客との交渉で価格水準が決まる値崩れしにくい品種だ。これに対して汎用鋼は、市場取引で価格が決まる鋼材である。

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