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フォードにはこんなに
ワクワクする車があるじゃないか

  • 牧野 茂雄

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2006年12月21日(木)

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 2006年の日本国内自動車市場は「軽高登低」だった。軽(=軽自動車)が売れ、登(=登録車)は前年比マイナス。新車のうち3台に2台が軽自動車だった。登録車の売れ筋は相変わらずミニバン。独身の若者もミニバンが好き。そんな日本に運ばれた2台のスポーツクーペに、私はとても心を魅かれた。

図版
「昔のイメージ」を大事にしながら現代風に生まれ変わったマスタング

 ドロッ、ドロッ、ドロッと低く響くアイドリング。エンジンをかけた瞬間に思わずニヤリとしてしまう音だ。昔、我われ日本人があこがれたマスタングが、単なる「かつてのリメイク」ではなく、全く新しい専用プラットホームを与えられて2005年モデルとして登場した。本国米国では、2006年1月から11月までの累計販売台数が15万5300台。トヨタ自動車の「レクサス」全車合計の販売台数に迫る実績だ。

 V8エンジン搭載のマスタングGTでゆっくり郊外の道を流す。ドイツ車のような緻密さ、動きの正確さという印象はない。低速では足元がバタバタする印象だが、不愉快ではない。「細かいことは気にするな」というクルマからの語りかけが、ナゼかうれしい。スピードを少し上げる。ステアリング(ハンドル)の感触も、ハンドルを切って曲がる時の車両姿勢も、じつに大らかだ。競技用シューズではなく、底の厚いしっかりしたワーキングブーツのような味がする。

基本に忠実なV8エンジン

 高速道路に入って、さらにスピードを上げる。アクセルペダルを踏み込む量に対し、エンジンのトルクが正比例でついてくる。踏み始めはむしろ反応が鈍く、5700ccV8エンジンの大きなトルクを扱いやすくしている。踏み込めば、腹の底からわき出るようなトルク感がいい。これがV6エンジン搭載車だと、同じマスタングなのに一気に興ざめだ。V8GTに限る。

 回転バランスの点でV8はV6より圧倒的に有利だが、そういうリクツを抜きにして、米国は大排気量V8のしつけ方がうまい。日本でのV6は「直4より高級」だが、米国でのV6は「間引きしたV8」であり大衆車エンジン。マスタングのV8はアクセルストロークの微少な変化にも反応してくれる。踏めば力が出る。緩めれば力が弱まる。簡単なようで、実はこの基本ができていないエンジンは意外に多いと思う。

 カーブの手前で減速。ハンドルを切って一定角度に保ち、アクセルペダルも止めて待つ。コーナー出口でハンドルを戻しながら、じわっとアクセルを乗せる…というセオリー通りの運転をすると、マスタングは素直だ。カーブの入り口では車体が外側にスッと傾き、その姿勢を維持したまま踏ん張り、ハンドルを戻せば傾きも戻る。大きめの段差乗り越えでは少々大げさにドスンと揺れることもあるが、一瞬で終わる。不快な余韻を残さず、後くされがない。

味わいのあるノスタルジックな内装

図版
マスタングのリアサスペンションはリジッド方式。軽量化され、リジッドの欠点を補っている

 リアサスペンションは左右が連結された昔ながらのリジッドアクスルである。だが、不満というほどの悪癖は感じない。むしろ後輪駆動のクルマでリアタイヤの位置決めがビシッとしていて、少々の外乱ではへこたれない点がいい。覗き込んでみれば、重量軽減に腐心した後が分かる。最近はリンクを何本も組み合わせたマルチリンク式サスペンションが流行りだが、正直言って、運転してみてもどこがいいのかよく分からないことが多い。逆に、マスタングに乗ると、少なくともリジッドであることがマイナスではないのだな、と思える。

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