• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

スケッチで腕を競ったGMのデザイナーたち

  • 河岡 徳彦

バックナンバー

2007年1月10日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 自動車のデザインを作り上げる時は、まずデザイナーがスケッチを描き、その評価から始まります。これは昔から今日まで変わることがありません。

 現在はデザイナーの役割が、企画立案からセールスプロモーション、広報活動などまで広がり、デザイナーにも企画力やプロデュース力、コミュニケーション力などが求められるようになってきました。でも、かつてはデザイナーにとってスケッチこそがすべてでした。

 ゼネラル・モーターズ(GM)では、ビル・ミッチェルが1958年から78年にかけて2代目デザイン担当副社長を務めていた時代に、特にデザイナーのスケッチスキルが問われました。その当時、GMでは毎年2~3回、彼のオフィスを飾るスケッチのコンペが開催されていました。

 コンペは予選から始まります。予選では、各スタジオのデザイナーが与えられたテーマに沿ってスケッチを描きます。予選に合格すると、次は一段とレベルの高いデザイナー同士の戦いになります。これに勝ち抜けば、スタジオの前にスケッチを飾ることが許されます。さらに勝ち抜けば、ビル・ミッチェルのオフィスの前の廊下に飾ることが許されます。ここまでくると、そのデザイナーの名前が社内で確実に認知されます。

 次世代コルベットのデザインがテーマとして与えられた時、常連のトム・センプル(後に日産デザインインターナショナルに移籍)、キップ・バセンコ(後にキャディラックのチーフデザイナーに)、ジョン・ゲーブル(後にプロのイラストレーター)、そして私の4人が最後まで残りました。けれども私のスケッチは残念ながらビル・ミッチェルのオフィスに飾ってもらうことはできませんでした。オペルから派遣された私には、米国人、ビル・ミッチェルの好む“艶”が不足していたようです。

全紙サイズのスケッチでデザインの良し悪しが分かる

 GMはこのようにデザイナーたちを競わせ、クリエーティビティーを引き出そうとしていました。コンペで選ばれたスケッチは、ビル・ミッチェルの志向性を示すと同時に、デザインスタジオで働く人たちにとって、GMのデザイントレンドを示す分かりやすい指針となりました。

 このコンペには再チャレンジ制度もありました。デザイナーたちが所属スタジオのプロジェクトスケッチを描き、それをスタジオ前のイーゼルに立てて、毎朝ビル・ミッチェルのお眼鏡にかなうように飾るのです。

コメント1

「河岡徳彦の「サイドウィンドウ小景」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授