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「感動」のメーカーは現れるか
──2007年の自動車業界を大展望

  • 牧野 茂雄

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2006年12月28日(木)

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 2006年の自動車産業界はBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の話題でにぎわった。中国の自動車市場は日本の規模を抜き去り、ロシアとインドには現地生産新規参入が相次いだ。ブラジルは欧米勢がしっかり押さえているものの、日本勢もエタノール対応のFFV(フレキシブル・フューエル・ビークル)投入を決めた。まるでBRICsだけ時間が早く流れてゆくかのような印象だ。

 一方、日本国内の自動車市場は軽自動車の好調が目立ったものの、自動車メーカーが年初に期待したほどはクルマが売れなかった。販売チャネルの一本化という大改革を実施したホンダと日産自動車も、国内販売は思うに任せない。トヨタ自動車でさえも、バブル崩壊後になんとか挽回した実績に届かない。各社とも相変わらず「海外頼み」であり、世界に類を見ない多品種少量生産体制を敷き、活発な新商品投入を行っているホームマーケットの日本が冴えない。

独自色あるセダンのフルモデルチェンジに注目

 では、今年はどうだろう。筆者は、国内自動車市場は2006年と大きく変わらないと見る。総市場は570万台程度で、うち軽自動車が190万~200万台と見ている。軽自動車のフルモデルチェンジ(FMC)と新型車投入は昨年より少ないと思われるが、マイナーチェンジ(MC)や特別仕様車など地道な販売テコ入れで、ほぼ2006年並みを保つと見ている。軽自動車は、新車効果頼みの登録車とは微妙に「売れ方」のパターンが違う。

 一方、登録車では注目のFMCがいくつか予定されている。1.3リットルクラスの市場を引っ張ってきたホンダ「フィット」、欧州フォードの旗艦車種向けに車両骨格を提供するマツダ「デミオ」、数少ない正統派セダンになってしまった三菱自動車「ランサー」と富士重工業のスバル「インプレッサ」。この4台に筆者は注目する。トヨタ、日産という両大手の商品企画を揺さぶるような出来栄えなら、2008年以降が面白くなる。ミニバン/SUV(多目的スポーツ車)系ではなくセダン系車種、しかもそれぞれに独自色を打ち出し「指名買い」の対象になっている車種のFMCが久々に重なることで、市場にどのようなインパクトを与えるか。

 軽自動車では、ダイハツ工業「ムーヴ」から派生する背高大空間型ワゴン「タント」の方向性に注目している。昨年スズキは「軽を減産し小型車を増産する」との発表の際、鈴木修会長が「軽のシェアトップにはこだわらない」旨の発言を行ったが、これが本当に体力勝負の消耗戦から抜け出るための大きな方針転換なのかどうかは、まだ分からない。逆に、主力モデル3車種を昨年FMCしたダイハツの鼻息は荒い。虎視眈々と軽トップシェアを狙っているように思える。

自動車がインフラの一部になりつつある

 日本車全体としての方向性も気になるところだが、国内向け商品は「コストダウン」「薄利多売」という路線に変更はないだろう。日本メーカー内部からは「さすがに欧州車は大衆車クラスでもお金のかかったつくりをしている」といった発言を耳にすることが多いが、日本がそれに倣うとは思えない。乗用車では2回目の車検の時に、つまり新車購入から5年後にふたたび新車に乗り換えてもらえばいいのだから、刹那的なファッション製品で構わない。それが商品企画の基本だろう。トヨタの日本国内向け「カローラ」と欧州向け「オーリス」の違いに、そうした事情がよく現れている。

 その割にはクルマは売れているじゃないか──筆者は正直にそう思う。いまだに自動車を運転することで「時間を買える」ドイツでさえ、毎年の新車市場は総人口の約4.5%だ。日本に同じ比率を適用すれば約540万台。自動車の使用環境という面では、日本はドイツに比べて圧倒的に不自由な国だと思うが、それでも「ドイツ以上に売れている」と言える。日本人は「クルマ好き」だ。

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浜田 健一郎 ANA総合研究所 シニアフェロー・前NHK 経営委員長