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レシピを見ながら経営していませんか

ビジョンと哲学が構想力を高める

  • 宮田 秀明

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2007年1月12日(金)

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 宮田研究室では、“合宿”と呼ぶ年に1度の研修旅行がある。研究室は、教員と学生を合わせて総勢30人の大世帯だ。昨年は全員が忙しくて日程が合わず、残念ながら1泊2日の短い旅行になった。この研修旅行で最近驚かされることがある。どうやら、幹事役を務める大学院修士1年生の企画力が次第に低下しているようなのだ。

 まず、宿の選び方がうまくない。宿泊日程などの条件さえ満たしてさえいれば何でもいいという選択が目立つ。近隣とはいえ、研修地から離れた場所や、都市部にある味も素っ気もないビジネスホテルを選んだりする。

 もちろん、旅の目的は研修だから、“泊まる”という目的だけを考えれば、それで間違いではない。だが、普段はなかなか全員で顔を揃えることがない研究室の仲間と親睦を深める目的も大きい。だから、単に泊まるだけでなく、もっと楽しく過ごせる仕掛けがあっていいはず。例えば、安くてうまい食事が出てくるところ、窓から雄大な山海の風景が眺められるところ、研修の合間にスポーツで汗がかけるところなど、何でもいい。

 この数年、幹事役の学生には、研修地の周辺を調査して参加者の満足度を高めようという意識が感じられない。悪気があるわけでも、面倒くさがりなわけでもなさそうなだけに、逆に心配になってしまう。この研修旅行がどのように展開するのか、参加者が何に満足するのかを予測することができない。つまり、極めて低いレベルの構想力すら欠けているのではないか、と。

“熟練”は必ずしも高い“構想力”にはつながらない

 構想力とは、未来の完成品(成果)を論理的に予測する力である。これは、設計でも研究でも経営でも、すべての仕事において共通している。

 例えば、設計担当者にとっての構想力は、設計した製品がどのように機能し、どのような性能を発揮し、ユーザーにどう評価されるかを予測する力である。製品のマイナーチェンジについて結果を予測するのは比較的易しい。ゼロから設計した商品でも、他社のヒット商品を追従したのならば予測は簡単だろう。最も予測しにくいのは、まだ世の中に存在しない新しいコンセプトの商品を設計する時である。

 商品開発には様々なレベルがあって、要求される構想力にも高低がある。大きな構想力は、新規性の高い商品の設計を重ねることによって養成される。マイナーチェンジのような設計を手がけているだけでは、何年繰り返しても、低い構想力しか育たない。下手をすると単に熟練するだけになってしまう。

コメント16件コメント/レビュー

「レシピを見ながら経営していませんか」 (2007、1 、12)について 私は1950年代の生まれですが、私と同年に生まれた人から、(私は)犬を譲ってもらって、その彼女は、親を頼りにすることが出来なくて寂しかった、と言っていました。「自分が大きくなる時、声をかけてくれた大人は一人もいなかった」と。 私たちの世代は、その事を寂しいと感じると思うのですが、私たちより10年後の世代は、「声をかけてくれる大人がいるわけ無いじゃん。そんなの、思う(期待する)方が悪いんだよ」、という感じなのだそうです。…  宮田様は、「大学院修士1年生の企画力が低下しているようだ」と書いておられますが、私は、彼(彼ら)も、他の人から、向き合ってもらったり、肯定されることが少なかったのでは? と思いました。 私自身のことで恐縮ですが、私は、「お前には分からないよな」等と、ずっと言われ続けて育って、20歳の時には意欲が無かったのです。「お昼休みがコワイ」ってヤツです。 「企画力が低下している人」が、「悪意があるわけでも、面倒くさがりなわけでもなさそう」なのなら、他の人から肯定されることが少なかったのではないのかなあ、と私は想像しました。 差し出がましいかもしれませんが、「企画力」を引き出そうと思ったら、その人が一生懸命した事、(たとえ、味も素っ気も無い場所を選んだとしても)、例えば、宿とこちら側との交渉は、彼(彼女)なりに一生懸命やっていたと思われたのなら、「交渉、ご苦労様。お陰で計画通りに(時間的に)、終わることが出来てよかったよ」とか、とにかく一つでいいから、肯定してあげたら、と思います。 そしたら、(今度は山の中に泊まってみよう)、とか、(食事がおいしい所がいいな)等の思いが出てくるかも分からない(そういう事を思ってもいいんだな、と思うことが出来る)、と思います。 全然、的外れかもしれませんね。 私自身が、こういうふうにされたらいいな、と思っている事を書いただけです。 私自身は、「研究」とか、全く分からないのに、失礼いたしました。 (2007/01/17)

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「レシピを見ながら経営していませんか」 (2007、1 、12)について 私は1950年代の生まれですが、私と同年に生まれた人から、(私は)犬を譲ってもらって、その彼女は、親を頼りにすることが出来なくて寂しかった、と言っていました。「自分が大きくなる時、声をかけてくれた大人は一人もいなかった」と。 私たちの世代は、その事を寂しいと感じると思うのですが、私たちより10年後の世代は、「声をかけてくれる大人がいるわけ無いじゃん。そんなの、思う(期待する)方が悪いんだよ」、という感じなのだそうです。…  宮田様は、「大学院修士1年生の企画力が低下しているようだ」と書いておられますが、私は、彼(彼ら)も、他の人から、向き合ってもらったり、肯定されることが少なかったのでは? と思いました。 私自身のことで恐縮ですが、私は、「お前には分からないよな」等と、ずっと言われ続けて育って、20歳の時には意欲が無かったのです。「お昼休みがコワイ」ってヤツです。 「企画力が低下している人」が、「悪意があるわけでも、面倒くさがりなわけでもなさそう」なのなら、他の人から肯定されることが少なかったのではないのかなあ、と私は想像しました。 差し出がましいかもしれませんが、「企画力」を引き出そうと思ったら、その人が一生懸命した事、(たとえ、味も素っ気も無い場所を選んだとしても)、例えば、宿とこちら側との交渉は、彼(彼女)なりに一生懸命やっていたと思われたのなら、「交渉、ご苦労様。お陰で計画通りに(時間的に)、終わることが出来てよかったよ」とか、とにかく一つでいいから、肯定してあげたら、と思います。 そしたら、(今度は山の中に泊まってみよう)、とか、(食事がおいしい所がいいな)等の思いが出てくるかも分からない(そういう事を思ってもいいんだな、と思うことが出来る)、と思います。 全然、的外れかもしれませんね。 私自身が、こういうふうにされたらいいな、と思っている事を書いただけです。 私自身は、「研究」とか、全く分からないのに、失礼いたしました。 (2007/01/17)

宮田先生が言われる「赤字に転落しそうなので研究開発費を半分に絞るとか、新入社員をゼロにしようといった・・経営者には構想力がないと言って言いすぎではないだろう。」はごもっともと思います。さらに別の見方をすると、このような経営者には、社会的責任意識がほとんどないことも事実と思います。しかも、残念ながら大企業の経営者にあまりにも多すぎるのではないでしょうか。「就職氷河期」、あまりにも無責任・残酷極まりない言葉です。夢を持って社会に飛び立とうとする若者は、その翼をへし折られてしまうのです。そうかと思うと、企業がこぞって採用人員を2倍3倍に増やす、他社が増やすからそうすると言う経営者があまりにも多い。社会的責任と国の将来を考えて欲しいものと常々考えております。就職氷河期→就職できず→夢の喪失→ニート・フリーター増加、このような流れが零ではないでしょう。より広い視野に立って見、優れた構想力を持ってていただきたいものです。(2007/01/16)

大学院の学生、学会発表論文の内容の薄さ、企業経営者の短期的構想とどれも魅力的内容ではありますが、最終的な着地点がどうにも見当たらないように思えます。(2007/01/16)

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