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【第4回】KDDI、光ファイバー事業が新たなリスク要因に

総務省の政策変更で浮上した「インフラを持つリスク」

  • 宗像 誠之,山根 小雪

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2007年1月15日(月)

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 KDDIが、東京電力の光ファイバー事業の統合を正式に発表した2006年10月12日。この日の会見で小野寺正社長兼会長が繰り返したのは「NTTから自由になること」だった。「NTTのネットワークに頼っている限り、われわれはNTTの基盤の上でしかサービス展開できない」――。

 振り返れば2006年は、KDDIがNTTに対抗するため“弱点克服”を大きく進めた年だったと言える。その詳細は、当連載のベースとなっている単行本、『2010年、NTT解体』をご覧になっていただければと思う。

 携帯電話事業では、NTTドコモに対して善戦するKDDIだが、固定通信事業の設備ではNTTグループに比べて圧倒的に不利な状況にある。特に、ユーザーの自宅までの光ファイバー設備を持っていないことが、一般消費者向けのブロードバンドサービスを展開するうえでKDDIのアキレス腱(けん)となっている。

 今回は、固定通信事業のテコ入れにひた走るKDDIが、新たに抱え込んだ課題を追う。

新サービス展開へ念願の光ファイバー網を入手

 KDDIは、NTT東西地域会社のように、地下トンネルである「とう道」や管路、電柱を所有していない。ユーザー宅まで光ファイバーを引き込もうとすると膨大な投資と時間を必要とする。自前で一から敷設していたのでは、電話線の敷設のための設備を持つNTT東西とは勝負にならない。そのため、開放義務を課せられたNTT東西の光ファイバーを借りて、サービスを展開するしかなかった。

 この方法ならコストは減るが、エリア展開などで東西NTTの都合に合わせざるを得なくなる。例えばKDDIの光ファイバーサービスを使いたいというユーザーがいても、東西NTTの光ファイバーが届いていない地域では設備を借りることができず、サービスを提供できない。

 こうしたジレンマの中、KDDIが目をつけたのが、電力会社の光ファイバーだった。長い交渉の末、光ファイバー事業の統合についてKDDIと東京電力は最終合意にこぎつけた。東京電力管内の首都圏だけとはいえKDDIは、日本最大の消費地で大規模な光ファイバー設備を手に入れることに成功した。

 KDDIと東京電力は今後、光ファイバーサービスと携帯電話を組み合わせたFMC(fixed mobile convergence)サービスや、家庭内の電灯線を使って通信する「高速電力線通信」を組み合わせるなど、NTTとの差異を強調したサービスを開発していく考えだ。NTT東西のインフラに頼らない、自前の光ファイバーを持つ効果を最大限発揮していく。将来的な目標としてKDDIは、首都圏の提供エリアで30%のシェア獲得を掲げている。

 KDDIは、首都圏の光ファイバーを手にしただけでは満足していない。今後、そのほかの地域でも光ファイバー事業を強化するため、東京電力以外の電力会社との提携も視野に入れている。

 だが、固定通信事業のテコ入れの切り札として東京電力の光ファイバーを手に入れた半面、皮肉なことにKDDIは新たなリスクを抱えることにもなっている。

政策変更で浮上した「インフラを持つリスク」

 というのも、KDDIと東京電力が交渉を続けていたこの1年間で状況がガラリと変わり、NTT東西がほかの事業者に光ファイバーを貸し出すための料金である「接続料」が、大幅に下がる可能性が急浮上していたのである。

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