海外の自動車会社の職場はどのような雰囲気なのでしょうか? 今回はお昼休みの様子をご紹介しましょう。
「マルツァイ(お昼ご飯だ)」──。オペルのデザインスタジオのスタッフはお昼時になると、待ってましたとばかりにこの聞き慣れない言葉を言い合って、お昼休みに入ります。
苦手だった金曜日の魚料理
私が勤めていた頃、オペルデザインでは3通りのお昼のコースがありました。1つ目はイタリアンレストランです。冬でも太陽がさんさんと輝くイタリアはドイツ人にとって人気が高く、常に休暇で行きたい所の上位ランクを占めていました。そこで覚えた味(たいていは安くて早くてうまいピザですけどね)を求めて、デザイナーたちは田舎町ルセルスハイムのイタリアンレストランに繰り出すのです。
2つ目はスタジオ内でお弁当を食べるというもの。お弁当は、職場で雑用を引き受けてくれるおじさんが買い出しに行ってくれていました。ランチの人気は、レバーケーゼ(蒸して固めた豆腐状のソーセージ)をパンで挟んだ簡単な弁当です。飲み物はコーラ(彼らは好きです)、またはシュプールーバッサ(ガス入りの水)。雑用のおじさんは、お弁当だけでなく週刊誌や新聞、それにロトの宝くじまで買い出しを引き受けてくれて、とても助かっていました。
3つ目はキャンティネ(社員食堂)の日替わりメニューから選ぶランチです。人気メニューは、豚肉のローストと付け合わせで出るクヌーデルと呼ばれるジャガイモの団子、グーラシュ(パプリカ風味のシチュー)、それに生の豚肉とタマネギを加えたユッケ風のツヴィーベルヴルスト(Zwiebelwurst)などでした。
金曜日は魚がメインです。この日はできるだけ社員食堂に行くのを避けていました。日本人なら魚が好きだろうと気を利かせたドイツ人のモデラーに連れられて行ったのですが、何せドイツの魚料理は曲者です。蒲焼きとは似ても似つかない名物「うなぎの燻製」があるくらいですから、日本食の味を期待すると簡単に裏切られます。さばの水煮ならぬ「フォレレ(マス)の水煮」(産卵後に力尽きた風情)ときたら、うまそうに食べるのになんとも苦労しました。仕方なく日本から持ち込んだしょうゆをかけて、無理やり消化していました。
オフィスにダイニングテーブルを設置したデザインディレクター
同じ時期、イタリアのカロッツェリア、ピニンファリーナに立ち寄ったことがあります。ピニンファリーナのカフェテリアは立派なものでした。何よりも驚いたのは、前菜、メイン、デザートが食べ放題、エスプレッソは飲み放題、またワインも当たり前のように置かれていました(今は知りませんが)。アルコール類が豊富でびっくりしたことを覚えています。
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