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【第10回】「あるある大事典」捏造で浮き上がるテレビと政府の“特別な関係”

2007年1月30日(火)

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 フジテレビジョン系の情報番組「発掘!あるある大事典2」で、「納豆がダイエットに効く」と紹介されたことにより、納豆が売れに売れ、多くのスーパーやデパートで品薄に陥った。ところがその後、番組で使用された実験データなどが捏造(ねつぞう)されていたことが発覚し、大騒動に発展している。

 番組を作ったフジテレビ系列の関西テレビ放送はスポンサーに逃げられ、視聴者から苦情が殺到し、社員の処分を余儀なくされるなど、対応に大わらわだ。加えて関西テレビの関係者がテレビ業界を監督する総務省に呼び付けられるなどして、調査を受けている。いずれ総務省からお叱りを受けることになりそうである。

 新聞や雑誌でも捏造記事が発覚すれば、広告主に逃げられ、読者の信用を失い、部数を減らすなど打撃を受ける。ただテレビと違って、当局の調査を受けてお叱りを受けることはない。

 なぜ、テレビ局だと当局から呼び出され、処分されるのだろうか。それはテレビに、新聞や雑誌にはない様々な規制が課せられているからである。テレビ局は、社会に役立つ放送サービスを広く提供することと、放送法などで定められている。

 そして、社会に役立つ放送サービスを提供する見返りとして、政府から手厚く保護されることになっている。(テレビ局と政府の特殊な関係については、この連載を大幅に加筆した拙著『テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか』で詳しく紹介しています)。

テレビ局は絶対につぶさない

 テレビ局が具体的にどのような社会的役割を負っているのかというと、例えば放送法には事実を曲げて報道してはならないという規定がある。「あるある大事典」で捏造された「納豆ダイエット」はこの規定に抵触する恐れがある。

 このほか公序良俗を害しないことや、暴風・豪雨・洪水・地震・大規模な火事などが発生すれば、災害放送を提供することが求められている。また総務省から放送免許を付与される際には、放送時間の10%以上を教育番組に、20%以上を教養番組に充てることが条件として課せられる。

 しかも、番組をできるだけたくさんの世帯で見られるように、可能な限り多くの電波塔を各地に建設することが放送法で決められている。このようにテレビ局は、社会に役立つ放送サービスを広く提供する役割を担っている。

 そうした社会的役割を負う見返りとして、テレビ局は総務省から保護してもらっているわけだ。総務省の高官は、「テレビ局は特別なんです」と言って憚らない。「競争によってテレビ局が淘汰されるなんてことがあってはならないと考えています。昨日までやっていたテレビ放送が、今日から別の会社のテレビ放送に代わったらやっぱり困るでしょう。テレビは社会にとって大切な報道や災害放送などを担っているメディアなんです。日本が武力攻撃を受けた時には、住民避難などの面でテレビ局の協力を得ることにもなっています」(総務省高官)。

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「【第10回】「あるある大事典」捏造で浮き上がるテレビと政府の“特別な関係”」の著者

吉野 次郎

吉野 次郎(よしの・じろう)

日本経済新聞社記者

1996年、日経BPに入社。2007年から日経ビジネス編集部で電機業界や自動車業界、企業の不祥事を担当。2015年4月から日本経済新聞社電子編集部に出向中。産業、経済事件を中心に取材・執筆する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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