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我々は“情報責任”を果たしているか?

2007年2月19日(月)

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 「情報責任」とは、社会生態学者ピーター・ドラッカー氏が作った言葉である。ドラッカーは数々の印象的なキーワードを残しており、情報責任もその1つと言える。情報責任と聞くと、コンプライアンス(法令順守)やセキュリティーに絡む話と思われるかもしれない。しかし、ドラッカーの定義はもっと広範囲で、情報責任とは「どのような情報がどのような形で、いつ、必要になるのか。それを誰から得るのか。自分はどのような情報を出さなければならないか」を考え抜くことを指す(関連記事)。

 情報責任という言葉は、2002年に出版された『ネクスト・ソサエティ』(上田惇生訳、ダイヤモンド社刊)所収の「コンピュータ・リテラシーから情報リテラシーへ」と題された論文に出てくる。ここでドラッカーは、「今日のCEO(最高経営責任者)にもっとも必要とされるものが情報責任である」と述べている。

 初めてこの一文を読んだ時、随分と感銘を受けた。情報化あるいはIT(情報技術)利用といった場面における経営トップの役割を、簡潔かつ的確に表現していたからだ。裏返して言うと、情報の中身、形式、利用時期、入手先、そして自分の発信する内容まで突き詰めて考えていない経営トップは少なからず存在している。

 情報システムを開発するシステム部門あるいはIT企業の担当者を取材していると、「決めてくれない」という悩みをしばしば耳にするからだ。「今回作るシステムの目的はこれ、そのために必要な機能はこれとこれ」と、そのシステムを利用する事業部門や顧客がはっきり決めてくれれば、開発側は情報システムの設計に着手できる。だが、現実にはなかなか決定されないことが多い。

 もちろん、変化が激しい昨今のビジネス環境において、やりたいことが日々変わっていくため、企業はシステムに求める諸条件を決定しにくくなっている。しかも情報システム部門やIT企業側といったITの専門家側に、事業部門や顧客がやりたいことをうまく聞き出す能力が十分あるとは言えない。

 加えてそれ以前に、事業部門や顧客自身がやりたいことを表現できない、しない、という問題が横たわる。例えば、事業部門の現場担当者はそれぞれ、断片的な要望を持っているが、それらは事業部門全体の意思として統一されていない。こうなると事業部門の責任者がはっきりした方針を出さないといけない。ところが事業部門の責任者にしても、どのような情報が欲しいかをはっきりと言えない。結局、経営トップが欲しい情報を明らかにし、方針を明確にしない限り、真に現場で役立つ情報システムは作れないということになる。

2007年問題や内部統制への対応を乗り切るために

 上述の問題は、コンピューターが日本に上陸して以来、日本企業につきまとっている。問題の所在と解決策を同時に提示する言葉として、ドラッカーの「情報責任を果たす」という指摘は、この問題を延々考えていた筆者にとって極めて魅力的であった。

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「我々は“情報責任”を果たしているか?」の著者

谷島 宣之

谷島 宣之(やじま・のぶゆき)

日経BP総研

一貫してビジネスとテクノロジーの関わりについて執筆。1985年から日経コンピュータ記者。2009年1月から編集長。2015年から日経BP総研 上席研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官