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IT投資を人材投資として考えてみる

  • 横浜 信一

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2007年3月12日(月)

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 次年度予算が各社で作成されつつある時期である。IT(情報技術)についても各部門から提案される投資・支出の要望を取りまとめ、来年度いくら何に使うのかが経営会議などで議論されていることと思う。

 IT投資についてよく相談を受けるのが、「せっかくの支出の70~80%が既存システムの維持やメンテナンスに使われ、新たな投資に回せるのは全体予算の20~30%にしか過ぎない」という悩みである。本来ならば新規に対して40%、50%のお金を回したいのだが、既存システムの維持に多額の支出がかかってしまい、かなわない。

 実はこの悩みはITの本質を言い当てている。それはITに使うお金は多くの場合「投資」であるということである。何気なく「IT投資」という表現を使うが、投資である以上、資産を持つことになる。資産なので、ストックとして管理することが必要になる。このことを理解することが極めて重要である。極論すると既存システムにお金がかかるのは当たり前であり、残念ながら例えば既存システムに対する支出を50%程度に下げるということは実質不可能である。

IT投資と人材投資の共通点

 こうした特長は、人材投資に似ていると思う。もはや終身雇用の時代ではないが、人材もいったん採用すれば10年、20年の中でいかに育てて生かしていくかがカギとなる。採用してしまえばそれでおしまい、あとは自分で育ってください、という企業は少ないと思う。今年の新人は来年以降貴重な戦力であり、彼らをどう育て、モチベートし、新しい業務にチャレンジしてもらうかは、新人採用以上に重要なテーマである。ここでは人材は「新人」と「社員」という切り口ではなく、各人に期待するミッション・役割に応じて区分され、その区分に応じた人材投資が行われる。

 また、人材投資を事業戦略とマッチさせるためにはどのような方法が採られるだろうか? まず最初に考えるのは企業としてどんな会社になっているのかを描くことである。事業の構成、規模、収益性、国内・海外の比率など、こうした将来像を描く。そして、そのためにはどんな人材が何人必要なのかについて、人材ポートフォリオの将来像を算定する。そして、現在の人材ポートフォリオとのギャップを明らかにし、そのギャップをどう埋めるのか考える。どんなプロフィルの人をいつ頃、何人規模で採用するのか、そしてどんなステップで何年掛けて育成していくのか、あるいは即戦力として何人を補充するのか、さらにはアウトプレースメントは必要でないか、これが戦略にマッチした人材投資である。

 長期の考えに立って人材採用・育成を行っていても、事業環境の変化に伴って企業として目指す姿も変わってしまう可能性がある。そうした場合には社員に対してこれまでの想定とは異なるキャリアを提示し、新たな方向に向かって自己成長を遂げてもらうように働きかけないといけない。これは経営者にとっては辛い仕事ではあるが、会社の舵取り役としては避けて通ることのできない重要な仕事である。

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