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文科省と経産省が希少金属確保に向けて協調

  • 丸山正明

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2007年3月8日(木)

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 文部科学省と経済産業省は2007年3月1日から「元素戦略プロジェクト」(文科省)と「希少金属代替材料開発プロジェクト」(経産省)の委託先の公募を共同で始めた。両プロジェクトは、日本の製造業を支える材料(素材)を将来的に安定確保するための、産学官連携の材料開発プロジェクトである。「日本の総力を挙げる研究開発プロジェクトとなる」(経産省の製造産業局非鉄金属課)。このため、文科省と経産省が委託先を共同で公募するという、行政府としては恐らく初めての共同作業を実施した。

 日本は自動車や電気・電子製品などのハイテク製品を生産し、販売するモノづくり立国として世界第2位のGDP(国内総生産)を誇っている。製品をつくるには、高機能を発揮する特定の元素が不可欠になる。例えば、熾烈(しれつ)な国際競争を繰り広げる液晶ディスプレー(LCD)は、透明電極にITO(インジウム・スズ酸化物)を利用する。このインジウム(In)という元素の資源(鉱石や材料など)は中国やカナダ、米国などに偏在し、これらの国々からの資源輸入に頼っている。

製品だけでなく工具にも影響

 特定元素の資源輸入依存は、華やかなハイテク製品だけの問題ではない。例えば、部品を切削加工する切削工具の代表格である超硬合金製工具は、炭化タングステン(WC)とコバルト(Co)の化合物である。超硬工具がないと、日本の製造業はお手上げになる。成形加工の中核を占める切削加工ができなくなるからだ。

 ところが、タングステンもコバルトも資源問題を抱えている。タングステンの鉱石資源は中国や米国などに偏在し、輸入に頼っている。コバルトも輸入に頼っており、備蓄資源の対象元素の1つになっている。過去にもコバルトは国際価格が高騰し、磁石や特殊鋼の構成元素としても利用しているため、日本の製造業を悩ませたことがある。

 経産省の非鉄金属課とナノテクノロジー・材料戦略室によれば、日本の輸入依存度が高い元素の代表格は、「タングステン、プラチナ(Pt)、インジウム、希土類金属(レアアース元素)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)など」である。この6種類は、資源が中国や南アフリカ共和国、ロシア、米国、チリ、ペルーなどの特定の資源国に偏在している。最近の製品は高精度な部品・機構の集積品である。代替の利かない部品が1つ欠けるだけで、製品として成立しない可能性が高まっている。例えば、銅価格が高騰し、不足すれば、半導体の微細な銅配線ができなくなる。今や半導体なしでは、製造業が成り立たない。

 文科省の元素戦略プロジェクトと経産省の希少金属代替材料開発プロジェクトは、当然目的が異なる。元素戦略プロジェクトは、物質・材料の特性を見極めるために各元素の役割を徹底解明する、基盤的な材料開発プロジェクトである。このため、元素戦略の出発点となる基本・基盤的な科学にまで立ち戻った研究開発プロジェクトとし、長期的な視点で進める。予算は2007年度が4億円で、5年間で合計20億円の計画である。

 これに対して、経産省の希少金属代替材料開発プロジェクトは、製品差異化のキーとなる高機能を果たす3元素の代替材料を目指す、直接的かつ即効的な研究開発プロジェクトである。タングステン、インジウム、ディスプロシウム(Dy)の3種類のキー元素の使用量を大幅に減らす作戦である。予算は2007年度が11億円で、5年間で合計55億円の計画である。

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