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材料研究開発者に好機到来

  • 丸山正明

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2007年3月9日(金)

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 日本の材料研究開発者はその実力を示す好機を迎えている。日本の「モノづくり立国」「技術立国」を支える材料を実用化し、今後も製品競争力を高める“新材料”を供給し続けるかどうか。その実力を示す表舞台が、文部科学省と経済産業省が2007年度から始める「元素戦略プロジェクト」(文科省)と「希少金属代替材料開発プロジェクト」(経産省)という材料開発の府省連携プロジェクトである(3月8日掲載の記事参照)。

 両省は2007年3月1日より、大学や公的研究機関、企業などからの研究開発提案を募集中だ。委託先公募の締め切りは、2007年4月16日午後7時。これに先だって文科省と経産省は、両プロジェクトが目指す研究開発プロジェクトの概要を説明し、優れた研究開発案を公募する合同公募説明会を、3月15日に経産省本館で開催する。

 材料開発は古くて新しいテーマである。これまでにも革新的な新材料を目標とした研究開発プロジェクトが実施され、ある程度の成果を上げてきた。例えば、名古屋大学の赤崎勇教授の研究グループの窒化ガリウム(GaN)単結晶の研究成果から、青色発光ダイオード(LED)が実用化され、事業化された事例が有名である。材料メーカーも独創的な新材料を事業化してきた。例えば、高性能希土類磁石の代表格になっているネオジム・ホウ素(Nd・B)磁石は、住友特殊金属(当時、現NEOMAX)が実用化した。1980年代まで代表格だったサマリウム・コバルト(Sm・Co)磁石の主役の座を奪った新磁石である。

 材料研究開発者の多くは、現在の代表格材料を駆逐する新材料を実用化しようという夢を追っている。例えば、超硬合金製切削工具の代替としてサーメット(金属炭化物や窒化物と金属を焼結した材料)製やセラミックス製の開発が進んだ。実は、金属サーメットもセラミックスも、第2次大戦中の金属資源不足をきっかけに開発が始まった。新材料開発が難航し、実際にはかなり後に実用化が進んだ“新材料”である。

事業化投資リスクが高い材料開発

 国際市場でのハイテク製品の競合が激しくなる一方で、日本企業は資源依存性の低い材料の開発という課題に直面し、新材料の実用化が強く求められている。しかも地球環境負荷を下げ、持続可能な社会基盤をつくる材料開発が必須になっている。

 材料開発はある意味で筋書きのないドラマである。主に大学や公的研究機関で新材料開発のタネとなる研究成果が発見され、その実用化を模索する研究開発が続く。新材料開発のタネの多くは、主に価格面で既存材料を代替できず、お蔵入りする。物質として学術面で優れた研究成果であっても、事業化できなければ新材料にならない。事業価値と学術価値は異なるのである。ここまでが、材料開発が筋書きのないドラマであるという意味だ。

 このことは、ほかの多くの分野の研究でも、ある意味で同じである。しかし、新材料開発は事業化投資リスクが極めて高い点に問題がある。まず新材料の事業化は装置投資額が大きく、さらに製品に採用してもらうための設計面や加工面での工夫が必要になり、製品開発まで進んで初めて事業化の見通しが立つ。

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牛島 信 弁護士