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新米副館長、ミュージアム経営奮闘記(2)
~現場で見えてきた経営課題

  • 中島 義和

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2007年3月23日(金)

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 まさか副館長公募の試験に受かるとは思っていなかったので、内定の連絡が来た時は正直驚いた。と同時に、科学の分野で全く素人の私に務まるかという強い不安が横切った。やはり辞退すべきだと思い込んで、毛利衛館長に面談を申し入れたところ、毛利さんは「科学のことは私がやりますから、中島さんは館のマネジメントについて力を貸してください」と私の背中を押してくださった。私は、我が人生最大の転換を決意した。同時に未来館の業務を通じて広く日本の社会に役立てられるという実感がとてもうれしかった。

 着任してまず、未来館の拠って立つ基盤について確認した。発足の理念は「国民一人ひとりが人間社会と科学技術の在り方を探り、文化の形成に果たす科学技術の役割と未来を示唆し合い、語り合い、理解し合う場」である。言い換えれば未来館は科学技術の理解増進を促進する拠点である。

 その目的遂行のため、毛利館長以下多彩な職能集団が日々侃々諤々と議論をぶつけ合いながら業務を遂行している。どんな人たちかというと、科学技術スペシャリスト、調査員、インタープリター(展示解説員)、展示運営グループ、展示技術管理グループ、広報グループ、利用促進グループ、運営調整グループ、国際企画グループ、総務グループ、人材育成グループ、ボランティア、友の会グループなどのほか、科学技術振興機構から派遣されているマネジャー、スタッフ及び役員。それぞれのプロ集団が年間75万人の来館者を迎え、どうしたら来館者の科学技術への理解度・満足度を高めていただけるかについて日夜知恵と汗を絞っている。

プロ集団のベクトルを1つにする

 着任して私がすべき最初の仕事は何か。それは、ぶつかりながら高いエネルギーを発生させているこの多彩なプロ集団のベクトルを1つに合わせ、最大の力を発揮させることにあると確信した。

 そこで私は、今まで極めて縁遠い世界にいた科学技術スペシャリストたちとのブレーンストーミングを開始した。彼らの大半は大学院卒で、中には博士号保有者も多く、文字通り科学技術のスペシャリストである。私の不安を少しでも解消させようという毛利館長の勧めによるものであった。4~5人のグループごとにそれぞれ2回ずつ、計10回ほどのミーティングでの意見交換を実施し、多くを学んだ。

 次に、数多くのインタープリター(展示解説員)たちとミーティングする機会を持った。インタープリターは、来館者に先端科学技術を分かりやすく解説し、理解増進のための触媒としての役割を果たしている。時には来館者の前で実験を行うこともある。インタープリターの存在は未来館の特徴の1つであり、私自身も以前来館した時に、難しい原理をやさしく解説してもらい感激した記憶がある。インタープリターも多くは院卒というバックグラウンドを持っており、科学技術スペシャリストと同様に未来館を支える大きな柱の1本である。私のブレーンストーミングは、現在、主にインタープリターとの間で行われている。

 それぞれは優秀な集団であるが、未来館の中では別々の組織に属し、シナジー効果が少々不足しているように見えた。それを指摘したところ、内部でも同様な指摘があったとのことで組織が再検討され、この4月から科学技術スペシャリストとインタープリターが同じ部署で働くこととなった。プロ集団のベクトルの一致が一歩進むこととなる。

 続いて私は、先に述べた未来館の多彩な職能集団が、どんなプロセス、会議体、組織で、1つの仕事を進めていくのかを注意深く眺めてみた。未来館は国立の科学館であるから、当然のこととして官の論理、議論の進め方、予算の使い方、会議のプロセスが中心にある。そこに、ミュージアム固有の展示開発プロセスや館内運営プロセスが加わる。さらに一部には、民間の営業マーケティングの手法、あるいは総務のプロセスが複雑に絡んで運営されている。

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