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経営を見ないとITの課題は解決しない
~あるIT統合の現場から

  • 横浜 信一

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2007年3月26日(月)

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 ある企業の情報システム部長の悩み。近々、これまで競合関係にあった企業との合併が予定されている。既に合併構想は公表され、両社の間で経営統合に至るまでの大まかなスケジュールも合意されている。合併に伴うシステム統合のアプローチもおおむね合意しており、合併相手の企業のシステムを存続会社のシステムとして使い続ける、いわゆる「片寄せ」方式を取る。現在はシステム統合に向けたスケジュールを作り、活動を開始したところである。

 しかしながら、このスケジュール、体制で十分かどうか確信が持てない。また、実際のIT(情報技術)統合までは長丁場であり、それまでの間予定通りに進められるか不安である。そこで、外部のアドバイザーに助けを求めることにした。現時点で不備な面があれば今のうちから対処したいし、さらに経営統合までの間も継続的にアドバイスを受けたい。典型的な経営統合に伴うITインテグレーションの相談である。

 約1カ月の間、経営統合計画、システム統合のスケジュール、そして現時点での進捗状況をヒアリング、分析してもらった結果、IT統合のスケジュール自体はおおむね妥当なものであること、また進捗内容については若干の遅れがあるものの、今のうちに対処すれば十分に間に合うであろうことが確認された。

 そうした診断結果の報告を受けた情報システム部長、取りあえず一安心である。しかし、今の遅れを一時的な頑張りで挽回しても、これから先も同じようなことにならないだろうか、不安の種が残る。そこで、さらに2週間程度かけて、これまでの「若干の遅れ」がなぜ起きてきたのか、さらに突っ込んで分析してもらうことにした。

問題の根はIT以外のところにあった

 その結果浮かび上がってきたのは、経営統合計画の推進体制がうまく機能していないのではないかという指摘であった。経営統合全体の絵姿として、両社のトップマネジメントによる経営統合委員会があり、その下にIT、業務、商品・サービス、人事などテーマ別の分科会が存在、それぞれごとに統合プランを作って推進している。各分科会での進捗は経営統合委員会に報告され、全体調整が図られる、そうしたしっかりした体制が運営されているはずであった。

 しかしながら、外部アドバイザーによる分析の結果浮かび上がったのは、IT分科会については両社の積極的な参加によって情報交換がなされ、おのおのが果たす役割が明確になって実務も進んでいるのだが、他の分科会の中には必ずしもうまく協力が進んでいないところがあるという指摘であった。

 無論、分科会によって進捗に差があることは自然であり、そのこと自体は大きな問題ではない。ただ、IT統合を推進する立場から見ると、業務や商品・サービスなど他の分科会で決定してもらわないと、IT統合の活動に支障が生じてくる事項が多々ある。本来ならば分科会横断の調整を行って、全体のスケジュール管理を行うはずの経営統合委員会の事務局が、こうした点についてリーダーシップを発揮していないのではないか、という指摘もなされた。

 確かに、IT統合の進捗に遅れが生じているのは、他の分科会での意思決定の遅れが原因であった。これまでシステム部長は幾度となく他の分科会に対して意思決定のお尻を切る依頼をしてきたが、その中で守られなかった事項が結果としてIT統合の遅れにつながっている。

 要は、今から手立てを打てばスケジュールの遅れを取り戻せるという単純な問題ではなく、統合推進体制の強化を行うことが不可欠であるし、そうしないと同様の遅れは今後も再発する可能性が高い、という結論に行き着いた。

浮かび上がった両社の意識のズレ

 システム部長と外部アドバイザーはさらに深く課題の根源を掘り下げていった。IT部門のスタッフだけでなく、全体の状況を理解していると思われる担当役員とも議論を深め、「ではなぜ、きれいに出来上がっている統合推進体制が予定通りに機能していないのか」について考えを深めていった。その結果、浮かび上がってきたのは、経営陣の間における経営統合に関する意識レベルの差であった。経営陣に直接意見を聞いたわけではないのであくまで推測・仮説の域を出ないが、経営陣の中に今回の経営統合の捉え方に差があるのではないか、という点である。

コメント1件コメント/レビュー

内容そのものは、ありがちな話かと思いますが。いや、こんな気の利いた話はあまり聞いたことないかも。それより、この文章はこのサイトの編集長様に是非見て頂きたいものですね。同じ様な題材を扱っているのに、こうも違うものかと。(2007/03/26)

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内容そのものは、ありがちな話かと思いますが。いや、こんな気の利いた話はあまり聞いたことないかも。それより、この文章はこのサイトの編集長様に是非見て頂きたいものですね。同じ様な題材を扱っているのに、こうも違うものかと。(2007/03/26)

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