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電子部品業界、復活への条件

  • 前原 孝章

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2007年4月5日(木)

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 電子部品業界は、日本企業が非常に高い競争力を誇ってきた分野の1つであった。ワールドワイドの市場でも常にトップシェアだったし、技術的にも多くの分野で市場をリードしてきた。光ピックアップ(CDやDVDドライブ向けのレーザー光源・受光部)のように、セット製品(最終製品)そのものの競争力につながるものも多く、日本のエレクトロニクス産業の競争力の源泉だったとも言える。しかし、ここに来て日本企業のシェアが大きく下がっており、今後が懸念される状況である(図1)。

図版

図1●国別電子部品生産シェアの推移
出所:Yearbook of World Electronics Data(REED ELECTRONICS RESEARCH)

 近年のエレクトロニクス業界を牽引してきたのは、間違いなく携帯電話市場であった。普及率の高いパーソナルデバイスである携帯電話は、出荷数量が年間10億台という巨大な市場を形成している。小さな筐体の中に、カラー液晶、カメラ、GPS(全地球測位システム)、おさいふケータイ、TVチューナーなどの多くの機能が追加され、そのたびに電子部品の需要を牽引してきた。また携帯電話には及ばないものの、AV(音響・映像)機器のデジタル化も市場を牽引してきた。

 しかし、今後、携帯電話などの市場を牽引するのは、新興国でのローエンド端末に対する需要である。また、「ポスト携帯電話&デジタルAV」となる新しい製品も見えない。こうした中、日本企業の得意とするハイエンド部品に対する需要がどこまで続くかは、予断を許さない状況にある。

セットメーカーの選択と集中、プラットフォーム競争で企業間格差が拡大

 デジタル化に伴う水平分業化、競争のグローバル化により、電子部品ベンダーの顧客に当たるセットメーカー(最終製品のメーカー)の収益性が大きく低下した。その中でセットメーカーは、事業の「選択と集中」を進めてきた。やや乱暴に整理をすると、図2のようにまとめられるだろう。大きく民生分野と非民生分野にリソースを集中しているグループに分けられる。プラズマディスプレーに継続的に大規模投資を行っている松下電器産業は民生分野での勝ち組を目指す例、フラッシュメモリーの設備投資および米ウエスチングハウス・エレクトリックの買収などに投資を集中させている東芝は、非民生分野で活路を見いだそうとしている例と言えるだろう。

図版

図2●セットメーカーの「事業の選択と集中」の動向

 また、セット製品の高機能化が進む中で、ソフトウエア開発にかかるコストの比率が大きく高まってきた。それに伴って、開発効率を高めるために、ソフトウエアプラットフォーム(OS、ミドルウエアなど)や、コアデバイスのアーキテクチャーを中心とした”生態系”が形成され始めている。

 具体的には、携帯電話におけるSymbian(シンビアン)陣営、Linux(リナックス)陣営、BREW(ブリュー)陣営などが例として挙げられる。それぞれOS(基本ソフト)もしくはミドルウエアを中心とした生態系である。最終製品のブランド、製品は異なれど、ソフトウエアや部品はかなりの部分まで同一構成という現象が発生している。

 今やメーカー間の競争に加え、プラットフォーム間の競争が存在する。勝ち組となるプラットフォームを採用していることのメリットは計り知れないため、生態系内での連携はますます強まる傾向にある。日本においても、携帯電話OSとして同じリナックスを採用するパナソニックモバイルコミュニケーションズとNECおよび半導体ベンダーのテキサス・インスツルメンツなどが、第3世代携帯電話向けプラットフォームを共同開発する会社、アドコアテックを設立するといった事例が現れている。

 その結果、電子部品メーカーにとっては勝ち組の椅子の数が少なくなってきており、椅子取りゲームの激しさは増す一方である。業界全体が右肩上がりで成長していた時代は終わりを告げた。セットメーカーが選択と集中を進めたことにより、1つの部品を大量に購入してくれる顧客の数は減少している。

コメント1件コメント/レビュー

「採用部品も同一化されていく傾向にある」というのは、採用されなかったメーカーだけでなく、消費者一般にとってもつまらない状況ではないかと思います。デジカメ、携帯電話、薄型テレビときて、何か新しい商品の登場が潜在的に望まれているのではないでしょうか。(2007/04/05)

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「採用部品も同一化されていく傾向にある」というのは、採用されなかったメーカーだけでなく、消費者一般にとってもつまらない状況ではないかと思います。デジカメ、携帯電話、薄型テレビときて、何か新しい商品の登場が潜在的に望まれているのではないでしょうか。(2007/04/05)

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