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「Vote Different」!
~大統領選挙はCGMの過激な実験場

  • 須田 伸

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2007年4月10日(火)

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 「ワグ・ザ・ドッグ」というハリウッド映画をご覧になったことがあるでしょうか。

 ダスティン・ホフマンとロバート・デ・ニーロという2大スターの豪華共演。大統領選挙の直前に発覚した大統領のセックススキャンダルをもみ消すために、デ・ニーロ演じる政治コンサルタントが、ホフマン演じるハリウッドの敏腕プロデューサーに依頼して、小国アルバニアとの架空の戦争危機を、デジタル撮影と合成を駆使してでっち上げさせ、広告&広報戦略を使って国民の支持を集めようとするというストーリーです。

 架空の危機にもかかわらず、敏腕プロデューサーの見事な演出手腕により、メディアを通じて米国中が熱狂の渦に沸いて、大統領の支持率は急上昇していくものの、やがて…というお話をコメディタッチで描いていました。

 この映画は、あくまでハリウッドの娯楽作品ですが、実際にも政治と広告的演出の結びつきは深いものがあります。

 映画のステージとなった米国大統領選挙において、候補者の経歴や政策を、時に感動的に謳いあげ、時に恐怖訴求的に迫る、広告のプロの手によるテレビCMは過去に数多くあります。

 日本の選挙運動でも個人候補のテレビCMは公職選挙法の規制により実施されていませんが、政党のCMですと、有名な小泉総理大臣(当時)の選曲でX-JAPANの楽曲が使用された自民党のCMや、最近では映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」のパロディのような民主党のCMなど、いろいろあります。

 また、映画「ワグ・ザ・ドッグ」が公開されたのは1997年ですから、ブログもYouTubeのような動画共有サイトも出てくることはないのですが、もし仮に今この映画をリメイクするとすれば、こうしたCGM(Consumer Generated Media)は広報戦略の舞台として確実に登場するでしょう。

 現実の選挙の広告広報戦略においても、インターネットを駆使する今日の有権者の発信力は無視できません。

 そして、個人がブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でつながった時、そのパワーは時に巨大な波となって流れていきます。

ディーン候補を盛り上げ、失速させたネットのチカラ

 米国では既に前回2004年の大統領選挙の頃から、ネット上での個人の情報発信の影響力が広がっていることを如実に示す現象が見られました。

 中でも象徴的だったのが、元バーモント州知事のハワード・ディーン候補です。

 ディーン候補は、2004年の民主党予備選において、ネット世論の後押しを受けて「反ブッシュの旗印」としてシンボリックな存在になりかけていました。

 しかし、アイオワ州での予備選挙で3位に終わった後のスピーチで興奮のあまり彼が「絶叫」した映像が、さまざまに編集されてネット上で流通し「こんなすぐにアタマに血が上る人物を大統領に選んでしまって、核ボタンを預けていいのだろうか」という不安を多くの有権者に抱かせる結果となり、やがて失速してしまい、民主党の大統領候補にはケリー候補が選出されました。

 ネット時代の大統領候補かと呼ばれた人物が、ネットの中で形成された大きな流れに飲み込まれて、敗れ去ったのです。

昨年の米国中間選挙における「マカカ事件」

 2004年の大統領選挙の後も、米国ではインターネット上で公開された映像が話題になり、選挙戦に大きな影響を与えるというケースが増えています。

 民主党が大勝した昨年の米国中間選挙で、もっとも記憶に残る事件となったのが、バージニア州の上院議員選挙におけるジョージ・アレン候補による「マカカ発言」です。

 共和党の現職(当時)上院議員として、事前リポートでは圧倒的な優位が伝えられ、さらには2008年の大統領選挙の共和党候補にも名前があげられていたアレン氏でしたが、選挙戦の相手である民主党陣営の学生ボランティア(バージニア州生まれ、バージニア州育ちのインド系米国人)が自分の演説をビデオ撮影している際に「このマカカ(Macaca)を、バージニアに歓迎しようではないか」と発言してしまい、その映像はやがてテレビとネットを通じてあっという間に広がりました。

 マカカという言葉には、「サル」という意味や、人種差別的な意味があるということで(アレン候補は「言葉の意味を知らなかった」と否定)、アレン候補に批判が集まり、圧倒的有利といわれたバージニア州で共和党は議席を失ってしまったのです。

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