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「日本語の壁」を突破するオフショアリング

  • 横浜 信一

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2007年4月9日(月)

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 多くの経済活動がグローバル化し、国境を越えて資本や財が行き来している。とりわけグローバル化が進んでいるのは資本市場である。そして商品やサービスもグローバル市場の中で取引されるようになっている。実は、企業を取りまく市場にはもう1つ忘れてはならないものがある。それは「労働力市場」である。

 従来の労働力は、企業活動の拠点で獲得することが常であった。労働力の提供主体は人であり、人は簡単には移動できないため、必然的なことだったと言える。いわば労働力市場はローカル市場であり、グローバル化が進みにくい市場だった。しかし、ネットワークに代表される情報処理技術の進歩は、ローカルだった労働力市場にもグローバル化の波を作り出している。

労働力市場のいびつな構造をオフショアリングが矯正

 日本が近い将来、労働力不足に陥る可能性が高いのは予測されている通りである。この現象はスピードに差こそあれ、他の国でも予測されている。背景にあるのは少子化の進展と、それに伴う人口ピラミッドの逆転現象である。日本だけでなくドイツ、フランス、イタリアという欧州諸国もそうであるし、あまり知られていないが、ロシア、ハンガリー、チェコなどの東欧諸国でも、今後、人口ピラミッドの逆転現象が生まれ、労働力不足が深刻化すると見込まれている。

 他方、インド、中国などでは、膨大な数の労働力供給が続くと見られる。これは単純作業に従事する人材だけではない。例えばインドと中国で、仮に労働力全体の5~6%が大学教育を受けるとすると、毎年370万人もの新たな高スキル労働力が、労働力市場に供給されていくことになる。これまで、こうした労働力は現地資本の企業や多国籍企業の現地法人に就職し、国内の経済発展に貢献してきた。

 このように世界の労働力市場では、今後一部の地域で供給が不足する一方、一部の地域ではふんだんな供給が行われるという、いびつな構造を抱えていくことになる。

 これまでであれば、人材が海を越えて国境を越えて移動することによって、こうした需給ギャップを解消する方向に力が働いた。しかしながら今後はネットワークなどの情報通信インフラの整備・発展に伴って、人が移動せずとも仕事・業務を移動させることが可能となっていく。すなわち、「オフショアリング」が労働需給のバランス作りを担うことになる。

「日本語の壁」は本当か

 オフショアリングを先行して始めたのは、米国のコンピューター業界であった。1990年代前半、米国で若者が就職を希望する職業のトップランクには、常にコンピューター技術者やソフトウエアエンジニアが並んでいた。若者たちから見ると、高いスキルが身につき、報酬も良い知識集約型の仕事であり、将来性も高い花形職種だった。

 しかし実際は、決して花形職種ではなかった。米国では1998年から2003年の間にかけてのソフトウエアエンジニアの報酬は、名目ベースで年3.9%しか伸びていない。この数字はこの期間のインフレ率とほぼ同等であり、実質的な賃金上昇は起きていない。さらに重要なのは、就労人口が同じ期間に5.5%減少したことである。90年代後半から2000年代前半と言えば、米国経済にIT(情報技術)活用が急速に浸透し、情報処理技術者に対する需要が大きく伸びたはずの時期である。それにもかかわらずコンピューター技術者やソフトウエアエンジニアは減ったのである。

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