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ハイブリッドか、それとも「ゴルフTSI」か?

  • 牧野 茂雄

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2007年4月10日(火)

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 独VW(フォルクスワーゲン)が主力モデル「ゴルフ」に新しいパワーユニット「TSIエンジン」を搭載、日本市場に投入してきた。TSIエンジンは、わずか1.4リットルの排気量しかない直4エンジンに機械式スーパーチャージャーと排気利用のターボチャージャーとを組み合わせ、燃料消費を抑えながら2倍の排気量に匹敵する動力性能を得ようというもの。TSIエンジンを搭載した「VWゴルフGT TSI」(以下、ゴルフTSI)に試乗して、その性格の良さに驚いた。

 ガソリンエンジン(オットーサイクルエンジン)は、吸入空気量で出力/トルクが決まる。たくさんの空気をシリンダー内に取り込めば出力/トルクは増える。吸入空気量を調節するためにスロットルバルブがあり、アクセルペダルはこのバルブの開度を調節するためのものだ。

 エンジンに送り込む空気量を、自然吸気よりももっと増やせないかと考案されたのが、より多くの空気をシリンダーに送り込む「過給=スーパーチャージング」だ。機械式のスーパーチャージャー(以下S/C)と、エンジンの排気を利用するターボチャージャー(以下T/C)が実用化されている。

 S/Cは容積型、つまり空気を圧縮せずに、ポンプのように送り込む。一方のT/Cは、空気を圧縮して短時間に大量の空気を送り込む。両方とも空気(=酸素量)を増やし、その分だけ多くの燃料を使えるようにし、結果として出力/トルクを増やすための装置だ。

 ゴルフTSIはコンバインドチャージ。S/CとT/Cを両方使うダブル過給だ。過去にも同様のダブル過給方式を採用した市販車はあったが、その目的は「より大きな出力/トルクを得る」ことであり、エンジン排気量の壁を超えるためのものだった。ところがVWは、エンジン排気量を減らすための手段としてダブル過給を選んだ。S/CとT/Cが互いの欠点を補い合い、エンジン本体の機械損失や熱損失の点で有利な小排気量エンジンをベースに効率を上げる。その仕組みがなかなか巧妙だ。

2つの過給器の絶妙なバランス

 アイドリング状態では、2つの過給器は作動していない。アクセルペダルを静かに踏み込むと、あるところでS/Cのクラッチがつながり、過給が始まる。エンジンのスターティングトルクを補うようにじわっと効く。メーター内にあるブースト計のアナログ指針が振れるからS/Cの作動を確認できるだけで、アクセルペダルを必要以上に踏み込まない限りは過給エンジンだとは感じない。

図版

「フォルクスワーゲン ゴルフGT TSI」。2月6日発売。価格は305万円(税込み)

 街中や郊外のバイパスを交通の流れに乗って走るような時は、アクセルペダルの全ストローク(行程)の3分の1ほどで事足りる。それでも、エンジン排気量が1.8リッター以上になったような余裕を感じる。

 VWの資料によると、毎分1500回転付近の全負荷で0.8バールの過給圧を得られるという。絶対圧では1.8バール。つまり、大気圧1に対し、その0.8倍の空気が「追加されて」流入するということだ。S/C単体で絶対圧1.53バール、T/C単体でも同1.53バール。両方の合計では2.34バールの絶対圧になる。大気圧に対し、その1.34倍の空気が「上乗せ」される。過給圧が1バールを超える過給エンジンは、日本車にはなかったように思う。ベースは小排気量エンジンでも過給で出力/トルクを得ればいい。そのために目いっぱい過給するという考え方だ

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