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「ブロガーの行動指針」提唱の動き

  • 須田 伸

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2007年4月17日(火)

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 「ブログのコメントや掲示板が荒れるのは日本だけ?」「炎上というのは海外にもあるの?」と考えたことはありませんか。ネットの匿名性を悪用して誹謗中傷を書く人は、国籍と関係なく存在するようです。

 米国では、ネット界の大物が中心になって自主的な形での「ブロガーの行動指針」(The Bloggers Code of Conduct)をつくろうという動きが始まっています。

 この提案の中心にいるのが「Web2.0」という言葉の生みの親としても有名なティム・オライリー氏と、ウィキペディアの創設者であるジミー・ウェルズ氏の2人です。

 まだ「まずはみんなで行動指針づくりのための議論をしよう」と「たたき台」を自分たちのブログで紹介している段階ですが、日本でもこうした議論が今後、さまざまな場所で交わされていくのは間違いないように思います。

脅迫で講演をキャンセルした女性ブロガー

 今回の提案には、そもそものきっかけになった出来事があります。ゲーム開発者でプログラムインストラクターであるキャシー・シエラさんは、自分のブログのコメント欄での悪質な脅迫に悩まされており、3月にサンディエゴで開催されたコンベンション「ETech」でのスピーカー役をキャンセルせざるをえませんでした。外出することに恐怖を覚えるほどになっていたのです。

 このコンベンションの主催者が、「Web2.0」という言葉の生みの親として知られるティム・オライリー氏でした。自分が主催するコンベンションの講演予定者を襲ったトラブルを目撃し、「ブロガーの行動指針」をブロガーたちが自主的につくって広めていくことで、ブログにおける脅迫行為を減らそうと呼びかけたのです。

 ティム・オライリー氏というネット界の大物が呼びかけたことで、すぐに賛同する輪が広がりました。

「ウィキペディア」の生みの親も

 みんなの知恵を生かそうという、集合知(コレクティブインテリジェンス)の代表的なツールとして有名な「ウィキペディア」。利用者が自由にさまざまな項目について執筆ができるネット上の無料百科事典は、一般の個人が情報発信者になるという、いわゆる「Web2.0」の象徴のようなサービスですが、そのウィキペディアの創設者ジミー・ウェルズ氏が、ティム・オライリー氏に呼応して、「ブロガーの行動指針」の提案に参画したのです。

 情報がどんどん新しいものにボランティアの手によって更新されていくウィキペディアは非常に便利である一方で、たとえば歴史的紛争地に関する項目などでは、「荒らし」や「編集合戦」といった現象が発生しています。

 みんなが情報発信できることによるプラスと、悪意ある誹謗中傷のようなマイナスとは、ある意味、セットでやってくる宿命とも言えます。

 それでもティム・オライリー氏やジミー・ウェルズ氏たちは、「行動指針ですべてが解決するとは思っていないが、司法機関による規制を待つのではなく、ブロガーたちの手で自主的な動きを始めよう」という呼びかけを行っています。

「ブロガー行動指針」、たたき台の概要

 現在、「議論のためのたたき台」として掲載されている「ブロガーの行動指針」の概要を以下に紹介します。リンクはこちらです。

●不適当な内容のブログ記事は書きません。また自分のブログへの不適当な内容のコメントは削除します。
●相手に対して直接会った際に言わないようなことは、ネット上でも言いません。
●論争状況に際しては、まず当事者に内密な形で連絡をとるように試みます。
●コメントの内容が脅迫を含むようなものであり、脅迫の実行者が削除や修正に応じない場合には、事態の解決のために司法機関に協力します。
●ブログへのコメントには有効なメールアドレスの提示を要求します。ただし実名とは別の名前(Alias)を使用することを認めます。
●私たち自身や私たちのブログへの無礼なコメントに対しては、それが誹謗中傷といったレベルにならない限り無視します。

 これらは、あくまで「たたき台」ですが、大枠で呼びかけようとしているのはごく常識的なことばかりです。ただどんな内容にせよ「行動ルール」としておしつけられるのは窮屈だと感じるのは仕方のないことかもしれません。

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