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政府が初めて温暖化ガス排出権を122億円で購入

京都議定書を守る費用は今後数兆円に上る可能性も

  • 馬場 未希

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2007年4月17日(火)

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 地球温暖化防止のための国際的な枠組みである「京都議定書」。4月13日、日本政府は京都議定書の下で約束した温暖化ガスの削減目標を達成するため、丸紅(8002)や化学製品輸入・販売のローディア ジャパンなど、中国系と英系を含む計5社と「排出権」の購入契約を結んだと発表した。政府が排出権を購入するのは今回が初めて。

 排出権は、排出した温暖化ガスを帳消しにできる権利のこと。主に、途上国などで温暖化ガスを削減するのと引き換えに、京都議定書を運営する国際連合の事務局が発行する。温暖化ガスを減らした国と減らせない国との間で、売買が始まっている。

 温暖化ガスが増え続ける日本にとって、削減目標を達成するには排出権の購入が不可欠だ。政府は、基準年比6%削減という目標のうち3割弱に当たる1.6%分を、民間企業などから買う排出権で賄うとしており、今後、約1億トンの排出権が必要と表明している。

 今回発表された、2006年度の排出権購入契約の限度額122億円で契約を結んだ排出権は約638万4000トン。日本が京都議定書の目標を達成するまでの遠い道のりに、政府がようやく小さな一歩を踏み出した。

温暖化ガス減らない日本、頼みの綱は「排出権」

 日本は京都議定書の下、来年から2012年までの5年間、温暖化ガスを基準年(CO2は1990年度)比6%、削減する義務を負っている。ところが、日本の温暖化ガス排出量はほぼ毎年増え続け、2005年度には13億6350万トン(環境省による速報値)。基準年の排出量12億6140万トンに比べて約8.1%も多い。目標を達成するには、来年から5年の間、温暖化ガス排出量を約14%減らさなければならないのだ。

 政府は、目標と現実との大きな乖離を埋めるため、国民にライフスタイルの見直しを求める「チーム・マイナス6%」の展開をはじめ、日本経団連に参加する電力や製造業などの業界団体に温暖化ガスの削減を求めるなど、様々な方面から手を打っている。だが、抜本的な削減策を見いだせぬまま、2008年を迎えようとしている。

 京都議定書の目標が達成できない場合、2013年以降の削減目標が厳しくなるなどの罰則が設けられている。そのうえ、「京都」の名を掲げた国際条約を日本が守れないことで面目をつぶすだけでなく、他の国際交渉の場面で発言力が低下するなどの不利が生じることは大いに考えられる。

 政府は何としても、目標を達成したいところだが、家電や自動車などの国内で使用している製品から、企業の生産工程に至るまで、エネルギー消費効率が他国に比べて飛び抜けて高いとされる日本。国民や企業の取り組みなどといった国内対策だけでは、最早、目標の達成は非常に厳しい。

 2008年を目前にした政府の頼みの綱が、他国で温暖化ガスを削減するのと引き換えに発行される排出権の購入だ。

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