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郵政システム改革の裏に大震災の経験

日本郵政公社の情報化戦略、その全貌(3)

  • 日高 信彦

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2007年5月22日(火)

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日本郵政公社のCIO(最高情報責任者)吉本和彦理事とのIT経営問答最終回(第1回の記事はこちら、第2回の記事はこちら)。CIOは常にビジネスを先に考え、ビジネスのために役立つIT(情報技術)を用意すべき、という。ITベンダーに対しては、製品を売り込むのではなく、問題解決策を提示して欲しいと注文する。

日高:吉本さんと日頃からいろいろな話をさせていただいて常に感じるのは、ビジネスの話を最初にされるということです。必ず、まずビジネスがどう、だからテクノロジーはこう、という言い方をされる。なぜ、ビジネスモデルとかビジネスプロセスといったものを中心に考えるようになったのでしょうか。

 やはりキャリアが影響していますか。2006年4月から、日本郵政公社の理事常務執行役員を務めておいでですが、それ以前は、テクノロジーとビジネスの両方を担当されてきた。1970年に富士銀行に入行されてから、情報システム、つまりITの仕事を手がけられ、2000年からいわゆるCIOになった。2002年には、みずほ銀行の常務として、eビジネス統括という事業部そのものを経験され、2004年には富士総研の取締役副社長として経営に参画されています。

楽をしたいからビジネス志向に

吉本:実は、私は物事をきめ細かく、きっちりやることが非常に苦手な性格なのです。情報システムを開発する際にも、何とか苦労しないでできないものかと、昔から考えてきました。銀行に限ったことではないと思いますが、現行のオペレーションを前提にシステムを作ろうとすると、ろくなものになりません。仕事のやり方が前と同じですから、さほどの付加価値を生まないのです。しかも従来の複雑なやり方をそのままシステムに取り込もうとしますから、システムを作ることに非常に苦労する。

吉本和彦氏

吉本 和彦(よしもと・かずひこ)氏
日本郵政公社理事常務執行役員。1970年慶応義塾大学工学部卒業。同年富士銀行入行。98年システム開発第一部長。2000年執行役員(IT担当)。2002年みずほ銀行常務執行役員。2004年6月富士総合研究所取締役副社長。同10月みずほ情報総研専務取締役。2006年4月より現職 (写真:中島 正之) 

 作ることばかりに苦労していると、ついつい職人になってしまい、技術の枠の中の改革ばかり考えるようになりかねません。例えば、「このツールを使うと、システムの性能が何割早くなる」「開発手法をこう変えると生産性が何割向上する」とか。もちろん、こうした改革も大事ですが、あくまでも技術の中の改革ですから、経営側から見ると効果がよく分からない。

 そうではなく、業務プロセスを少し変えてみると、それだけでビジネス上の効果が非常に発揮でき、しかもシステムの開発が楽になる。こういう方法があることを経験から学びました。できるだけ楽をしようというわけで、IT部門側から業務プロセス改善の提案をしていくことをずっと心がけてきたつもりです。業務部門ではないのに新しい業務プロセスを提案できるのか、と疑問を持たれるかもしれませんが、逆にシステムが深く分かっていないと、いい提案ができないのではないかと考えています。

日高:私自身も会社を経営する立場ですが、変革、特にビジネスプロセスの変革というのは必ずしもうまくいきません。多くの経営者の方々もそうおっしゃいます。その理由として、私は「優秀な人たちが多いから」と考えています。

 日本企業は現場に優秀な人が多く、現場の最適、つまり部門最適が徹底されている。しかも、日本人は「仕事イコール生き甲斐」になっている面がある。生き甲斐ですから、自分の知恵をすべて注ぎ込み、自分の存在価値を示そうとする。情報システムについても同様で、本来の役割以上に豊富かつ高度な機能を盛り込んでいった面がある。こうした大きな成功体験があるわけです。

 多くの人の本音は「部門最適の成功体験があって何が悪い」というものでしょう。それを全体最適に変えていくのは至難の技ではないかと考えています。吉本さんが過去に変革の取り組みをされた時、どのように現場を変えてきたのでしょうか。

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