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麻疹(はしか)大流行の裏側

東京都は緊急対策、避けたい「麻疹輸出国」

  • 中沢 真也

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2007年5月28日(月)

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 首都圏で麻疹(はしか)の流行が収まらない。5月21日になって早稲田大学が一部キャンパスを除き、同日から5月29日までの全面的な休講に踏み切った。都内の高校、大学でも感染する若者が続出、連休前後から多くの学校で学級閉鎖や休講が実施されている。

 事態を重く見た東京都は5月17日、都内の学校で麻疹にかかったことがなく、ワクチンを未接種の児童・生徒に対し、接種を促す緊急対策に乗り出した。

 都が緊急接種の対象にするのは、都立高校200校を含む都立学校250校で、アンケート調査の結果判明した麻疹ワクチン未接種・未感染の約7000人。このほか、区市町村の小中学校と私立学校に対しても同等の補助を実施するという。なお、麻疹患者が発生した都立学校は、5月17日現在で全体の3分の1に当たる101校、患者数は269人に上っている。

 今回の流行の特徴は、年齢層が高いこと。15歳以上の「成人麻疹」が激増した上に、小児でも10歳以上の比率が増えた。2006年には10歳以上の患者の報告は全体の約15%に過ぎなかったが、2007年には、5月までの段階で10歳以上の比率が約43%と3倍近くの比率になっている。2006年の全国の成人麻疹報告数(定点報告で全数ではない)は40件だったが、今年5月の東京都からの2週分の定点報告だけで40人に達している。

“麻疹快速”で千葉、埼玉、東京に急拡大

 麻疹の流行の兆しは、実は去年からあった。2006年4~5月に、茨城県南部の私立の中高一貫校を中心に小規模な流行が発生した。集団感染が発生した私立江戸川学園取手中・高校は人気校で、多くの生徒が千葉、埼玉、東京から電車で通う。このため、通学に使われた常磐線・千代田線が“麻疹快速”になった可能性が高い。実際、千葉、埼玉、東京で散発的な麻疹発生が見られている。

 麻疹は感染力が極めて強く、体育館の端と端など、同じ建物内にどこにいても感染する可能性があるとされる。青少年や成人は子どもに比べて行動範囲が広く、発熱などがあっても無理をして外出するため、感染を広げやすい。今後、全国の広範な地域で“麻疹持ち込み”の監視が必要になりそうだ。

“ワクチン禍”のツケ? メディアの報道で不信感助長

 ではなぜ、大学生など若者たちにこれほど麻疹が大流行したのか。集団生活を送る世代であることも感染しやすい理由の一つだが、2005年の調査で麻疹に対する抗体(免疫)保有率が全年代で最も低いことが分かっている。

 予防接種を受けた比率が低いわけではなく、麻疹の流行が減ってウイルスに接する機会が減ったことと、従来は1歳時の1回接種だけだったために予防接種を受けてから年数が経過し、免疫が下がってきたことが主な理由だと考えられる。

 日本では麻疹をはじめ、予防接種の普及がなかなか進まない。その背景にはワクチンに対する一般市民の根強い不信感がある。「MMRワクチン被害」も原因の一つだ。

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