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カネになる世論 -2-

「ポスト・グーグル」への新潮流

  • 井上 理,蛯谷 敏

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2007年6月8日(金)

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(カネになる世論 -1-はこちら

「販促」と「炎上」、危うい関係


政治家の動きに先んじて、企業はネット社会との格闘を繰り返して来た。
ブログを利用した「口コミマーケティング」に疑心暗鬼のネットユーザー。
「サクラ」や「やらせ」で世論誘導できるとの幻想が“炎上事件”を招く。

 1月16日、東京・飯田橋の瀟洒なホテルに20人の著名ブロガーが集った。目的は「ブログマーケティング(BM)勉強会」という会合。お題は「BMで企業がすべきこと、すべきでないこと」「企業が商品をくれた時、ブロガーはどういう記事を書くべきか」など。

 この日、参加したブロガーたちにはある種の緊張感が漂っていた。ネットの世界では“有名”なソニーが協賛した勉強会だったからである。

「炎上」を糧にしたソニー

 「世の中が変化する中で、消費者はソニーに期待しなくなったのではないかと感じている。今日は皆さんの率直な意見を伺いたい」

 ソニーマーケティングで統括課長を務める北村勝司は勉強会の冒頭、こう切り出した。ソニーには苦い経験がある。2005年11月の出来事だ。

 「メカ音痴の女の子のウォークマン体験日記」というブログが「ソニーによるやらせ」だとネットユーザーから集中砲火を浴びた。

ソニーはウォークマンで苦い経験をした

ソニーはウォークマンで苦い経験をした

 携帯音楽プレーヤーの市場を米アップルの「iPod」に席巻されてしまったソニー。ブログが開設されたのは、ソニーが起死回生を狙い「ウォークマン Aシリーズ」を市場に投入した4日前。ブログはグループ会社が運営するポータルサイト「So-net」に立ち上がった。

 だが、ネットユーザーはプロの環境で写真が撮影されている点や、内容に矛盾がある点を次々と指摘。大騒ぎになった。実際は、新製品の販売促進の一環としてモニターの女性に商品を渡し、記事を書いてもらう企画だった。記事内容にやらせはないが、ソニーは「消費者に誤解を与える内容だった」と謝罪、数日間でブログを閉鎖した。

 事件から1カ月後の2005年12月。今度は米国でも同様の事件が起きる。携帯ゲーム機「PSP」を礼賛する個人のブログのURLが、マーケティング会社が登録したものだと発覚。やはり閉鎖に追い込まれた。

 2つの事件でソニーはネット上での評判を著しく落としてしまった。にもかかわらず、ソニーは冒頭の勉強会で新たなBMを始めた。ネット上のマーケティングが、それだけ訴求力のある有望な手法だと考えているからだ。

 パソコンに保存された楽曲を電波で飛ばし、離れた場所でも音楽を楽しめるオーディオ機器「WA1」。これを、今年2月の発売に先駆け、1カ月のモニター期間中に2本以上の記事を書いてもらう条件でブロガーに貸与した。今回は「ソニーによるモニター」であることを銘記し、ブロガーには何を書いてもよいと伝えた。

 「ソニーさんのBMへの熱い思いを受け取った」「この商品、ソニースタイルでは3万4800円で発売している。ニッチだけど、確実にニーズがある」

 1カ月間で20人のブロガーが書いた記事の総数は90本以上。ネガティブな意見もあったが、批判ではなく建設的に論じた。

 試行錯誤は続くが、ソニーマーケティングの北村は次のように語る。「WA1に関するブログは確実に増えた。利用者目線の意見は購入を考えている人に有益な情報。だが手法については利用者との関係や情報の責任の所在など研究が必要だ」。

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