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すべての環境規制のルーツ、世界共通のコンセプトに

【第1回】IPP(包括的製品政策)

2007年6月12日(火)

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 昨年7月にEU(欧州連合)のRoHS指令(有害物質含有禁止指令)が施行されたのを皮切りに、同様の有害物質規制が米国や中国でも始まった。さらに韓国も準備を開始した。EU発の環境規制が世界中に広がり始めている。

 製品への有害物質の含有を規制するRoHSをはじめとした「製品環境規制」は現在、EuP(エコデザイン指令)やREACH(新化学品規則)などに発展、強化されつつある。そのビジネスインパクトの巨大さから、日本企業としては予断を許さない状況になっている。

 そこで、日本企業を直撃するEU規制について、その基礎からを8回にわたり連載で紹介する。第1回は、すべての環境規制のルーツであり、今後の動向を占う上で非常に重要なIPP(Integrated Product Policy:包括的製品政策)を取り上げる。

 IPPは2001年7月2日、欧州委員会の政策文書であるグリーンペーパー(GREEN PAPER ON INTEGRATED PRODUCT POLICY)に初めて登場した。同委員会が1997年から4年間かけ、様々な利害関係者との議論を経てまとめ上げたものだ。これが、その後の環境規制の底流を作った。

サプライチェーン全体を規制

 「Product Policy」は、日本でもよく使われる「製品政策」を指すが、「Integrated」(統合)の具体的な意味がわかりにくい。原文では「資源採取から最終処分まで製品のライフサイクル全体をカバーすること、および目的達成のために幅広い取り組みをすること」とある。この「幅広い取り組み」という表現には、縦割り行政からの脱却という意味合いが込められているように思う。

 IPPの斬新さは、以下の5項目に集約できる。
(1)LCT(Life Cycle Thinking)
 製品のライフサイクル全体を思考すること。従来では、例えば製品の使用時のエネルギー規制があったり、別の法律が製造工場の省エネを推進したりすることがあっても、ライフサイクル全体を通してエネルギーを最小化するという行政アプローチはなかった。

 このため、特定のライフステージ(例えば使用段階)の環境負荷を下げても、別のライフステージ(製造時や廃棄時)に環境負荷が上がってしまうことがある。このような別のライフステージや別の環境負荷への転嫁によって負荷低減を追求することが無意味であると主張している。

 ライフサイクル全体の環境負荷を下げるには、現実には製品を供給するまでのサプライチェーン全体としての対応が求められるということだ。しかし、企業はもっぱらチェーンの一部にしかかかわっておらず、1社単独の努力ではいかんともし難い面がある。 これが後にEuPやREACHの最大の課題につながってくる。

「日本企業を直撃するEU環境規制」のバックナンバー

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「すべての環境規制のルーツ、世界共通のコンセプトに」の著者

市川 芳明

市川 芳明(いちかわ・よしあき)

日立製作所国際標準化推進室主管技師長

2000年、日立製作所環境ソリューションセンタ長などを経て、現職。IEC(国際電気標準会議)TC111議長、ISO TC 268/SC1議長、ISO TC207エキスパート。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長