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いっそ「IT鎖国」をしてみたらどうだろうか

  • 横浜 信一

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2007年6月18日(月)

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 突拍子もない話かもしれないが、私はITの分野において日本は鎖国をすべきではないかと常々考えている。

 IT分野に限ってとはいえ、日本だけが世界から切り離されると最先端の技術進歩から取り残されるのではないか、デジタルエコノミーがグローバルに広がっている中でそんなことは可能なのか、そもそもITの分野に限っての鎖国とは何を指すのか、いろんな反論、疑問を持たれると思うので、その意図をご紹介したい。

柔構造を持つ「日本語」

 日本語は非常に柔軟性に富んだ言語である。何が柔軟かというと、海外で生み出された言葉をその意味を十分に咀嚼せずとも、カタカナという形で組み込むことができるという非常に便利な仕組みを持っている。

 例えば、「グローバリゼーション」という言葉。実は元々英語にそうした言葉はない。地球や世界全体を意味する名詞の「globe」を出発に、形容詞の「global」という言葉ができ、さらに動詞になったのが「globalize」、またそれを名詞化した言葉である。何かをグローバル化するというような意味で日々何気なく使っている言葉であるが、多くの場合は、日本独自のあり方を変えて世界標準に合わせるという意味を持つことが多い。

 しかし、元々の「globalize」という言葉は、見てお気づきのように、何かを世界全体に広げる、あるいは何かが世界に広がっていく、という意味である。決して世界標準に適合するという意味の言葉ではなく、もっと能動的・支配的な言葉である。

 翻って、中国語ではグローバリゼーションをどう表現するかというと、「全球化」である。これは元々の「globalize」という言葉の意味をよく表現している。中国語は表意言語であるために、まず、取り入れる言葉の意味をじっくりと理解し、自らの言葉に変えてから取り込む。そうしないと取り込めない構造になっている。

 無論、日本語でもこのような表意言語的な色彩はあって海外生まれの言葉を漢字やひらがなに翻訳し直した例もある。明治の初めに生まれた、「経済(economy)」「競争(competition)」などはその例である。しかしながら、言語の構造としては、すべてを翻訳するような手間ひまをかけずとも、カタカナでそのまま取り込むことができる構造を有している。よく言えば柔軟、悪く言えばいい加減なのである。これが日本語の曖昧さを生み出すとも言える。

IT分野におけるカタカナ言葉の悪影響

 ITの世界には、カタカナ言葉や横文字が氾濫している。そして、私は、これが日本におけるIT活用阻害の最大要因の1つではないかと考えている。「オープン化」然り、「CRM」然り、意味が曖昧だったり、複数あったりする。何かいいことありそうだが、具体的に突き詰めてみるとよく分からないしどうもしっくりこない。それなのに曖昧な理解のまま受け入れてしまっていることが多い。

 日本語が柔構造を持つがゆえに、意味不明瞭なまま舶来のコンセプトを取り込めてしまうのである。コンセプトの理解が曖昧なために社内やベンダーとの議論が表層的なレベルにとどまり、本当に突き詰めるべきところまで考えずに意思決定を済ませてしまう。その結果、「そんなつもりじゃなかった」と同床異夢状態に陥りやすいし、ひどい場合にはうまくいかなかった時に言い逃れるために、確信犯でカタカナ言葉を使う輩もいる。

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浜田 健一郎 ANA総合研究所 シニアフェロー・前NHK 経営委員長