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電子機器を幅広く規制する「RoHS指令」

2007年6月19日(火)

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 RoHS指令は2003年2月に発効された「Restriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment」の略称である。

 規制の対象になる製品は幅広い。家庭用電気器具、IT、通信、AV機器、照明、電動工具、玩具、自動販売機などの分野にわたる。大まかに言えば、電池や電源を用いて動く製品はすべて含まれると考えてよい。当初の対象範囲から医療用具と監視・制御装置は除かれた。

 RoHS指令が求めているのは、06年7月1日以降にEU市場に上市される対象製品に、カドミウム、六価クロム、鉛、水銀、PBB(ポリ臭化ビフェニール)、PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)の6物質が含有されていないことである。

 とはいっても、理論的にゼロはあり得ないので、どこまでをゼロと見なすのかという閾値濃度が問題になる。この閾値濃度は、後の官報により「均質材料部分の含有濃度においてカドミウムが100ppm、その他の5物質が1000ppm」(ppmは百万分の1)と公示された。

 しかし、どうしてもこれらの物質を使わざるを得ない製品や部品がある。そこで、03年2月の発効当時から蛍光灯の水銀や、ブラウン管、電子製品中の特殊な用途の鉛やカドミウム、鋼、アルミ、銅材料に含まれる一定量の鉛など、免除項目が定められていた。その後も産業界からの申請によって続々と増えている。

 欧州委員会は指令発効後に、各国代表からなるTAC(技術適合委員会)を編成し、追加の適用免除について検討した。その結果、2005年10月に免除項目の修正と新たな追加項目が、EUの委員会決定として発効された。

 その後も、「第3パッケージ」や「第5パッケージ」などと呼ばれる追加の免除申請案が検討の俎上に載せられている。

 現在では累計で100を超える免除申請が提出されているが、このような多数の免除申請を公平かつ公正に検討できるのかどうかが欧州委員会にとって大きな課題である。04年12月に欧州議会は欧州委員会の免除項目追加について「行政の行き過ぎ」として非難しており、委員会側も慎重になっている。

 施行に際しての基準のあいまいさに加え、各国間のばらつきも残っている。TACの幹事役で英国の経済省に相当するDTIは、2006年1月にガイダンスドラフトを発行した。このドラフトではRoHSへの順法判定のレベルをEU域内各国で合わせるという目的が書かれている。今後のさらなる発展に期待したい。

 下の図に示すように、企業のRoHS指令への取り組み方は、大きく分けて3段階で変化してきている。

EuPやREACHの登場で、設計者全員が本気で臨まなければならなくなった

EuPやREACHの登場で、設計者全員が本気で臨まなければならなくなった

 当初は「RoHSは禁止令であるから、白か黒の世界。ライバルと優劣を競う対象ではない。最小限の手間で対応すべきである」という経営戦略から対策が始まった。そこで、まずは禁止物質の不含有証明書をサプライヤーに提出させて全面的に責任を転嫁し、自分たちは何もしないという方策で解決を図った。

 しかし、準備作業を進める中でサプライヤーによる証明の信頼性の不足や責任転嫁の限界など、様々な課題が浮き彫りになった。このため、社内に取りまとめの部署を置き、最小限の人数で管理するというスキームに変わった。まだ、この時点でも「社内の他部署には迷惑を掛けない」といった波及範囲を極小化しようとする姿勢が強く見られた。

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「電子機器を幅広く規制する「RoHS指令」」の著者

市川 芳明

市川 芳明(いちかわ・よしあき)

日立製作所国際標準化推進室主管技師長

2000年、日立製作所環境ソリューションセンタ長などを経て、現職。IEC(国際電気標準会議)TC111議長、ISO TC 268/SC1議長、ISO TC207エキスパート。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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