• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

WhyではなくWhatから始める

リコーの業務改革、その勘所(1)

  • 日高 信彦

バックナンバー

2007年6月25日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 リコーは1990年代前半の危機を乗り切り、その後、快進撃に転じたが、同社の原動力となったのは業務改革とIT(情報技術)だった。IT利用に基づく業務改革を推進する組織「IT/S委員会」を94年から設置している。IT/S委員会に関わり、その後も、業務改革を手がけてきた遠藤紘一専務執行役員に、業務改革のポイントを尋ねた。遠藤氏は「企業の現場では、いきなりなぜ(Why)を議論するケースが多い。これは患者の症状を分析しないまま治療を始めるようなもの。なに(What)を追求し、細部にある問題を突き詰めよ」と語る。

日高:IT/S委員会を立ち上げる直接のきっかけになった出来事は何でしたか。

遠藤 紘一氏

遠藤 紘一(えんどう・こういち)氏

リコー取締役専務執行役員。1966年武蔵工業大学工学部経営工学科卒業後、リコーに入社。生産本部副本部長、米リコー・エレクトロニクス取締役社長、取締役情報システム本部長を経て、97年常務取締役。2000年専務取締役に就任。2005年から現職。(写真:中島正之)

遠藤:リコーが赤字に転落する1990年代前半、私は米国にいました。思わしくなかった工場を立て直してようやく楽になったな、と思ったとたんに「日本に帰ってこい」と言われまして(笑)。私はエレクトロニクス関係の部門を担当することになりました。しばらくすると社の業績が急速に悪くなり始めていることが見えてきました。これはまずいと思って調べていくと、主力商品だった複写機の競争力が失われつつあることが分かりました。

 折しも世の中がデジタル化に移りつつあった頃です。その象徴が、日本でWindows 3.1が登場したことです。1993年の5月でした。ちょうど研究開発部門ではそれまでのアナログ技術を使うのではない、デジタル技術を使った複写機を開発し終えていました。アナログ技術だと倍率を変えるといってもそのパターンには限界がありましたが、デジタル技術を使えば、横方向だけ広げるとか、機能のバリエーションが広がるわけです。

 リコーは、そのデジタル技術を使った次世代機で巻き返しを図ろうという方向を固めました。そうすると次のテーマとして挙がるのは、初めて手がけるデジタルの製品について、どうやって品質や信頼性を高め、かつコストを抑えて作るかということです。正直申し上げて、アナログの世代の製品では、他社にコスト面で負けていました。ですから次世代機では絶対に負けるわけにはいきませんでした。

業務改革につながった業績悪化

 そのような意気込みで取り組み始めたのですが、次世代機といってもアナログ機をベースにしていたものですから、そのままではデジタル化した部分のコストがまるまる増大してしまう。ここを低減しなければ市場で勝てない。そこで、全社のプロセスを見直す業務改革の取り組みを始めました。

日高:具体的にはどのような取り組みから始めたのですか。

遠藤:デジタル化する部分はパソコンに近いアーキテクチャーでした。当時リコーは日本IBMと共同でパソコンを製造していましたので、パソコンと部品を共有し、コストを削減することにしました(本誌注・1990年にリコーと日本IBMは合弁会社「ライオス・システム」を設立。B5サイズのノート・パソコン「チャンドラ」を共同開発していた。ライオス・システムは1999年3月末に解散)。

 ところがパソコンと複写機では商品のライフサイクルが違う。当時でもパソコンは1年ほどの商品ライフしかなかった。複写機は最低でも2~3年です。複写機を開発している時に、パソコンに使う共用部品を選定しても、量産のタイミングでは、パソコン側ではもう使っていない。つまり、複写機を開発する時点で、将来量産する時にパソコン側でも最盛期を迎えている部品を選ぶ必要が出てきたのです。

「IT経営問答」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授