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「ロングテール」に新展開

実社会も「平均像」崩れ、商品戦略の再考促す

  • 大豆生田 崇志

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2007年6月21日(木)

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マイナー商品でもヒット作と並ぶ市場規模になるという「ロングテール」。
実は「ベキ分布」としてネット以外の現実の経済現象にも数多く登場する。
新たな学問も誕生し、企業の販売戦略や金融技術にも影響しそうだ。

 1日当たりのアクセス数が10億回を超えるヤフーの検索サービス「Yahoo! 検索」。膨大な数の言葉が時々刻々と検索されるため、頻繁に検索される「人気ワード」であっても全体に占める比率はごくわずかだ。

 例えば、2007年3月28日の1日に検索された言葉のうち、最も検索された言葉の検索回数は、全体の検索件数の1%にも満たない。検索回数で上位の3200語の回数をすべて合計しても、全体に占める割合はわずか2割。逆に、1日に1回しか入力されないマイナーな言葉は全体の約7割にも上る。

 検索された言葉を多い順に横軸に並べて、検索件数を縦軸に取ると、下図のように、右に裾野が伸びたグラフが描ける。これは「ロングテール」と呼ばれ、インターネットによって登場した新しい市場の姿として知られる。

検索されやすい言葉の分布は「ロングテール」

購買意欲が高い「テール」

 駅前などに店舗を持つ小売店は、限られた店舗の空間と営業時間に、ロングテールの「ヘッド(頭)」に位置する売れ筋商品の品揃えが欠かせないとされる。しかし時間や空間の制約がないネットでは売れ筋以外の集合である「テール(しっぽ)」の商品が売れる。

 ロングテールという言葉を提唱したクリス・アンダーソン氏は、著書で「ヒットしない商品を集めればヒット作に匹敵する市場が作れる」と指摘した。従来ならテールに位置してあまり売れない商品が、ネット上の仮想店舗の欠かせない収益源という考え方だ。

 例えば、ゴルフ用品を売るメーカーの立場になって考えてみよう。検索語と連動する広告では、「ゴルフ」や「ゴルフクラブ」といった一般的な言葉で検索された時、上位に自社の広告が表示されてほしいと考えるだろう。検索されやすい言葉、つまりは誰もが思いつく言葉は「ビッグワード」と呼ばれ、ロングテールの「ヘッド」側に来る。

 ただ、ビッグワードは、クリックされた時に広告主が支払う広告費用は高い。しかもビッグワードで検索する人は、何を購入するかまだ決めていないことが多く、実際に商品購入に結びつく販売率が低い弱点もある。それだけ、広告費の無駄が増えやすい。

 これに対して、販売につながりやすいのは、テールの部分に分布するような言葉だ。ここには「ゴルフクラブ」のような、ごく一般的な語だけで検索されるキーワードはほとんどない。ゴルフクラブを検索する場合に、「ゴルフ」や「クラブ」というキーワードに加え、メーカー名などの欲しい商品を絞り込んで検索するのが普通だろう。

 ネット広告を扱う広告代理店であるサイバーコンサルタント(東京都渋谷区)の田中俊彦社長は、「テール部分にある言葉は1クリック当たりの質が高く、販売率が高い」と言う。ゴルフクラブの例では、販売率で10倍の開きがある。テールには、小さくても決して無視できない“お宝の市場”が無数に存在するわけだ。しかもキーワード当たりの広告費用が安く、広告を出す企業は効果的な販売促進をしやすい。

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