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IT人材の即戦力不足、インドでも問題に

  • 横浜 信一

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2007年7月2日(月)

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 先日、米国のジョージア工科大学がインドに進出することが報じられた。2年後をめどにマイクロソフトや地元大手IT(情報技術)企業のインフォシスが拠点を構えるハイデラバードの郊外など2カ所にキャンパスを開くという。ジョージア工科大学は米国でも有数の理工系大学であり、報道によればこうした海外有名大学がインドに進出する初めてのケースとなる。

 インドの情報サービス産業は300億ドル規模、年率30%の高成長を続けている。この背景には、質・量ともに豊富な理数系人材の存在がある。優秀な人材供給源の存在が地元のみならず外資系IT企業の進出を促し、また、それが学生の情報サービス産業志向を加速するという、IT人材の供給・需要の良循環ダイナミズムが成り立っている。ジョージア工科大学のインド進出は、供給側においても海外プレーヤーの参入が始まったことのシンボルと位置づけられる。

 インドといえばIIT (Indian Institute of Technology:インド工科大学) が理工系大学として有名だが、これにIIM (Indian Institute of Management:インド経営大学)、IISc ( Indian Institute of Science: インド科学大学) を加えた3校がいわゆる御三家を形成している。こうした超一流大学への入学はハーバード大学よりも難しいと言われ、ここを卒業したスーパーエリートたちがインドの情報サービス産業を支えている。

 これらの大学ではどのような教育が行われているのだろうか? そこでは、卒業後、グローバル企業に就職しても十分に活躍できるようMBA(経営学修士)コースや、グローバルマネジメント、R&D(研究開発)マネジメントといったカリキュラムが準備されている。この結果、卒業生には国内、国外を問わず、グローバル先進企業の幹部候補生として活躍の道が開けることになる。

硬直化しているインドの大学教育

 しかし、こうした超有名校以外の実態は、日本ではあまり知られていない。実は、インドの大学教育システムはかなり硬直的であり、上に述べた少数の超有名校以外では、IT人材の育成という面で大きな課題を抱えている。

 1つの例が大学間の「系列」である。インドでは、政府によって大学間のランク付けが明確に決められており、このうち「ユニバーシティー」と言われる約300の大学が、「カレッジ」と言われる大学(全国で約1万7000)を統括することになっている。カレッジはユニバーシティーの承認を受けないとカリキュラム内容を変更できず、従ってその内容が硬直的になるという課題を抱えている。

 また、授業内容についても暗記主体であったり、卒業後に役に立つ授業ほど単位として認められにくい、教授陣もアカデミック志向で産業界のニーズを把握していない、さらに教員の待遇が産業界に比べて劣るため人材確保が困難など、日本の大学教育によく似た課題を抱えてもいる。

 つまり、一握りのエリート校では元々学生が優秀であるうえ、優れた教育によって学生が卒業後も華々しい活躍をするのに対し、その次のクラスを見ると、IT業界で活躍できる人材をどんどん輩出するような仕組みが出来上がっていないというのが実態である。

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