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経営はデジタルで割り切れるか

デマンドチェーン時代の未来予測論

  • 宮田 秀明

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2007年7月13日(金)

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 世界最高峰のヨットレース「アメリカズカップ」の技術開発では、海外の11のシンジケートが競争相手だった。シンジケートというのは、資金の獲得や、レース艇の開発、セーリングチームの育成など、レースに関係するあらゆる業務を行う巨大な運営団体のことだ。日本チームのシンジケートは「ニッポン・チャレンジ」だった。

 有力シンジケートの1つに、ニューヨーク・ヨットクラブを主体とする「ヤング・アメリカ」がある。何しろ150年余りにわたるアメリカズカップの歴史の中で132年間もカップを保持したと聞けば、どれだけすごいシンジケートかが分かるだろう。

 2000年に開催された第30回大会に挑んだ当時、ヤング・アメリカでレース艇を設計するチーフデザイナーは、米国とニュージーランドの両国籍を持つブルース・ファー氏だった。彼の設計チームは、世界中のレーシングヨットの半分以上を設計した実績を誇っていた。それに対して私は、ニッポン・チャレンジのチーフデザイナーでありながら、レーシングヨットは1995年の第29回大会で2隻の設計に関わっただけだった。

経験がなかったからこそ、デジタル設計に注力

 1987年以来、アメリカズカップ艇の開発には科学の力が大きな影響を与えてきた。しかし、すべて科学で設計できるわけではない。経験知に基づいたアナログ設計の占める割合は依然として大きい。世界一を競う先端の競争では、アナログ設計と科学によるデジタル設計の両方を頂点まで極めないと勝てない。

 最終的な成果に、アナログ設計とデジタル設計の貢献が何パーセントずつ関わったかを示すのは難しい。しかし、あえて言うならば、ファー氏のヤング・アメリカは当時、7割くらいがアナログ設計ではなかっただろうか。対する極端に経験の少ない私たちの日本チームは、デジタル設計に頼らざるを得なかった。言い換えれば、デジタル設計こそが、日本チームのコアコンピタンスだったのである。

 だから、専用の設計ソフトウエアの開発に3年をかけ、このソフトウエアによる開発設計を3年間、毎日毎日繰り返してデジタル設計を極めていった。たくさんの実験も行った。私個人の多様な商船設計の経験も役立ったけれど、おおよそ70%はシミュレーションによるデジタル設計の成果を世に問う開発スタイルを採ったことになる。

 開発期間中、各チームのレース艇開発は完全に秘密のベールに包まれたまま進む。第30回大会では、4年間の技術開発の結果として建造されたレース艇が、1999年9月にレース開催地であるニュージーランドのオークランドに集まってきた。

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