• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

化学物質規制の本命「REACH」

国内の調達にも大きく影響

2007年7月17日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 今回から新化学品規制、REACHについて述べていきたい。2007年6月1日にEU(欧州連合)で施行され、3年半後に規制がスタートする。まだ発効されていない法案だが、今後の日本の製造業に対して大きな影響を及ぼすものとして注目されている。

化審法とは全く異なる

 REACHは、「Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals(化学品の登録、評価、認可および制限)」を略して名付けられた。EU全域に共通適用される「規則案」として、2003年10月29日に欧州委員会から提案された。

 その名称から、日本の「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」や、米国の「TSCA(Toxic Substance Control Act)」と同様に、化学産業に対する特殊な法律ではないかと思える。ところが、REACHには驚くべき特徴が盛り込まれている。

(1)化学メーカーだけでなく、下流のユーザー企業も規制対象

 世の中にある「もの」は、物質(Substance)、物質の混合物である調剤(Preparation)、調剤から成形させる成型品(Article)によって成り立っている。従来の化審法は、このうち物質だけが対象だったが、REACHでは調剤や成型品も対象になる。

 このことから必然的に、化学物質を使う産業(インク、材料、部品、電機、自動車、建築など)にまで対象が広がる。物質メーカーと成型品メーカーでは、要求される内容は異なるが、ほとんどすべての製造業が何らかの法的義務を負うことになる。

(2)新規物質だけでなく、既存物質も対象

 世界的に見て、従来の化学物質規制は新規物質を対象にしていた。法律が制定された時点で既に市場に出回っている化学物質(既存物質)には原則として規制がかからず、新たな物質を販売しようとする際にだけ環境安全性の観点での規制が発生した。

 ところが、REACHではありふれた既存物質も対象になる。有害性の有無に関係なく、すべてに「登録」という作業が義務づけられ、登録を終えた物質だけがEU域内での販売が許可される。

(3)登録は物質ごとではなく、事業者ごとや用途ごと

 従来は、ある物質がいったん許可されれば、一部の例外を除いてもはやその物質はどの事業者がどのような用途に販売してもよかった。しかし、REACHでは同じ物質であっても、登録した事業者だけがEUで販売を許可される。

 加えて、用途分類の登録も必要になっており、登録用途以外の使い方ができない。これは下流ユーザーの義務で、自らが調達した資材に含まれる物質を、登録用途以外で使ってはならないと明示されている。どうしても使いたければ自ら用途を登録することになる。さらに、自分の顧客に(下流側に)これらの情報を伝達する義務がある。

輸出企業だけにとどまらない

 REACHでは、やがて欧州域内に流通するすべての化学品の組成を物質レベルまでさかのぼれるようになり、どの事業者が作ったかまでを調査できるようになることを目指している。「明らかに有害と判定された物質成分だけを管理する」という従来スキームから、「安全かもしれない多くの物質までを管理する」スキームにエスカレートしたことには疑問を感じる人も少なくないだろう。

「日本企業を直撃するEU環境規制」のバックナンバー

一覧

「化学物質規制の本命「REACH」」の著者

市川 芳明

市川 芳明(いちかわ・よしあき)

日立製作所国際標準化推進室主管技師長

2000年、日立製作所環境ソリューションセンタ長などを経て、現職。IEC(国際電気標準会議)TC111議長、ISO TC 268/SC1議長、ISO TC207エキスパート。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

店長や売り場主任などの管理職は、パートを含む社員の声を吸い上げて戦略を立てることが重要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長