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ああ、もったいない?!iPhoneを粉々に

~超バイラル動画“Will It Blend?”の魅力に迫る

  • 市村 佐登美

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2007年7月19日(木)

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 コーク+メントス実験ビデオがバイラル的広まりを見せ、大手スポンサーがついた話は昨年お伝えしたが、今回ご紹介するバイラル・ヒットはアメリカの小さなブレンダー製造元が昨秋から始めた当初予算50ドルの動画CMシリーズ「Will It Blend?」。下の写真、一見チョコ味のスムージーだが実はこれ、iPhoneを粉々に砕くCM撮影で出た粉塵だ。「なんてもったいないことを!」と思うなかれ。動画は公開3日で85万ビューを達成、その広告効果たるやiPhoneを何十台潰しても追いつかないのだ。

"WhoTube?"

(左:BEFORE/右:AFTER)粉々のiPhoneをグラスに盛りつけ、自社製ブレンダーの威力を示すBlendtec創業者兼CEOトム・ディクソン氏

 「“YouTubeで5日間で600万ヒットですよ!”とマーケティング課長から最初報告を受けた時には思わず、“WhoTube?”と聞き返したものですよ」

 CBS放送のインタビューでこう笑うのはBlendtecのトム・ディクソンCEO。近ごろ日本でも認知度が上がったので、「ネットのバイラル動画“Will It Blend?”の白衣のオジサンだよ」と聞けば、「あ~、あのゴルフボールも携帯電話も粉々にする人ね」とピピンとくる人も多いだろう。

 この動画シリーズ、今どれだけの人気かご存じだろうか? 関連ビデオが5万本は下らない“iPod”をキーワードに試しにYouTubeで検索してみよう。一番上にヒットするのは社会現象にもなったiPhone関連2作品で、次にくるのがこの「Will It Blend?-iPod」だ。ビュー数385万件(すべて2007年7月の記事執筆時点)。これは当欄担当・山中副編集長お気に入りの「Microsoft iPod」(iPodの梱包をマイクロソフト風に変えるビデオ。マイクロソフト・パッケージ部門が研修用に製作した。)のざっと3倍強である。

 去る3月30日にはジェイ・レノの深夜番組「Tonight Show」に出て庭ぼうきの柄を粉々に潰したトムCEOは今や国民的アイドル。業界イベントでも実演デモはご覧の人だかりだ。6月には講演会のステージで実演に失敗するハプニングも起こったが、観客席からはブーイングが起こるどころか、悔しがるトムCEOに温かい拍手さえ湧き起こった。もはや「ブレンドするvs.しない」の実証ビデオとは別次元の人気である。

 人気の秘密は何なのか? 今月話題の新作「Will It Blend? -iPhone」で検証してみよう。

超ワンパターンな定石をかたくなに守る

映像:Blendtec-Will It Blend?

 「Will it Blend? That is the question(混ざるかな?)」

 番組は毎回、白衣のトムCEOのこの発声を合図に始まる。待ってましたとばかりに、場末の手品のような音楽が流れ、自慢のブレンダーが映り、犠牲になる製品が登場。実験室で簡単な解説後、製品をポイッと入れて、モードを選んでガーッと回す。「スムージー」モードが氏のお気に入りだ。終わると中のものをダンボールにひっくり返し、モウモウと立ち昇る煙にその日の気分で名前をつけ、「○○スモークです。吸わないように」と警告。「Yes! It Blends(混ざりました!)」と字幕とドラムで盛り上げておしまい。動画は大体30秒から1~2分。絶えず変化があるので、アッという間だ。

 「混ざるかな?」もなにも、そんなこと見なくても最初から結論は分かっているのに何故こうも大勢の人が見るのだろう?

 動画を全部見た後の、このテーマソングが鳴り止まない頭で整理すると、まず超ワンパターンなところが効果的だ。決め台詞、場面設定、これはワンパターンであればあるほどシリーズ化、ブランド認知には効き目があり、しかも1回1回の出し物に集中できる。

 Blendtecの動画を見ると、オープニングの「混ざるかな?」に至っては同じ映像を何度も使い回しているんじゃないかと疑ってしまうぐらい、毎回同じだ。ひどい時には社長の声と口パクがB級吹き替え映画のようにズレてる時すらある。どうしたらそうなるのか甚だ謎だが、中小企業が一生懸命知恵を絞って低予算で作った動画というのは見る方も織り込み済みなので、むしろ大雑把なぐらいで丁度いいのだろう。

 第2にCEOの天然なキャラも見逃せない。家電購買者はデモを見ないと納得しない生き物だというので、同社ではもう何年も前からサイトに真面目な製品デモを置いている。そちらはダンディーな人が丁寧に機能や取り扱い方法を説明しているのだが、注目度はそれほどなかった。

 氏はブレンダーの生みの親であるからして、創業者兼発明者兼CEOとしての威厳と愛情さえ漂わせていれば、インフォマーシャルのアナウンサーのようにベラベラ余計なことは喋らなくていい。また、製品デモの正式版のような堅苦しい機能説明も要らない。とにかく砕いてみせる。庭ぼうきの柄などは粉砕に集中するあまり観客を置き忘れているかのようだ。この臨場感がいい。

 そして最後にくるのが「あり得ない」素材選びだ。

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