• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「REACH」膨大な情報が必要な「登録」

タフな国際交渉への準備を

2007年7月24日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 今回はREACH(化学品の登録、評価、認可および制限)規制法案の主要な条項を見ながら、重要な要求事項について解説する。

 REACHは、合計1000ページに及ぶ膨大な法案だが、企業にとって重要度が高いのは、第3条「定義」、第6条「登録」、第7条「成型品」、第28条「予備登録」、第29条「SIEF(物質情報交換会議)」、第32条「情報伝達」、第54~58条「SVHC(高懸念物質、認可対象物質)」である。

(1)第6条「登録」

 登録はあくまで物質についてである。物質単体と調剤(物質の混合物)についてはもちろん、成型品についても意図的な物質放出がある場合には、その成分物質についての登録が必要である。

 登録には、「Dossier」(ドシエ)と呼ばれる書式を、「XML」という形式の電子テキストで提出する。そのための記入ツールとしてIUCLID5(ユークリッドファイブ)というソフトウエアが配布される。その内容は、物質の識別情報(国際共通番号や欧州化学品リストの番号)をキーにして、企業(担当者)情報、用途情報、有害性情報、リスクアセスメント情報がヒモ付けされたものだ。

 このうち、有害性情報は欧州域内の生産量または輸入量によって要求される情報の詳細さが異なる。特に登録の大半を占めると見込まれる既存化学物質については、「生産量または輸入量年間1000トン以上、あるいはCMR物質(発ガン性、変異原性、生殖毒性のある物質)である」「同100トン以上」「同1トン以上」の3段階に分けられる。

 ここでは仮に、それぞれをフェーズ1~3とすると、フェーズ1は発ガン性試験のような長期間にわたる高価な試験結果が必要だが、フェーズ3は比較的簡単な毒性試験だけで済むことがある。また、届け出の締め切り時期も異なり、フェーズ1は3年半で、フェーズ3は11年で登録を済ませなければならない。

(2)第7条「成型品」

 REACHでは、様々な製品(成型品)に含まれる化学物質についても法的な義務が発生する。まず企業は意図的な放出のある物質をチェックしなければならない。成型品から放出される物質(インクなど)や表面を覆って機能を発揮する物質(粘着材や芳香剤など)が、これに相当する。

 その企業が欧州に生産・輸出するすべての成型品について、当該物質の合計量が年間1トン以上のものに対しては、物質登録が必要になる。ただし、サプライチェーンの上流にある企業が登録済みであれば登録は必要ないが、そのようなケースは日本ではまれと見るべきだろう。

 最もやっかいなのが、その次の有害物質の含有チェックである。SVHCの「候補リスト」(認可対象物質候補リスト)は第54~58条に規定されている手続きに従って将来作られるが、数百~1000物質に達すると予想されている。これらすべてについて成型品中に0.1%超の含有があるかどうかを確認する。

 その結果、やはり既登録の有無を確認した後、化学品庁にすべての該当物質を届け出なければならない。その内容は、企業(担当者)情報、物質の登録番号(他の用途で登録がされている場合)または物質の識別番号、有害性の分類、用途である。RoHS指令の「含有か非含有か」という情報に比べると、とてつもなく多くの情報を集めなければならないことが分かる。

コメント0

「日本企業を直撃するEU環境規制」のバックナンバー

一覧

「「REACH」膨大な情報が必要な「登録」」の著者

市川 芳明

市川 芳明(いちかわ・よしあき)

日立製作所国際標準化推進室主管技師長

2000年、日立製作所環境ソリューションセンタ長などを経て、現職。IEC(国際電気標準会議)TC111議長、ISO TC 268/SC1議長、ISO TC207エキスパート。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

環境の変化にきちんと対応して、本来提供すべき信頼されるサービスを持続できる環境を作り出さなければならない。

ヤマトホールディングス社長 山内 雅喜氏