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休暇に見る“共有の思想”と社会の底力

  • 若井 浩子

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2007年7月30日(月)

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 青い空、白い雲。太陽がさざ波を輝かせ、湖畔にたたずめば涼しい風が頬を撫でる。振り向くと緩やかな斜面にせり出したテラスでは昼食の用意がされていて、この別荘の主人、リトゥヴァさんと家族の姿が見える。かすかな薪の匂いは、昔ながらのオーブンからか、それとも少し離れたサウナからか──。

図版

キッチンでは昔ながらの薪オーブン(右)が活躍する。(写真:井上雅義、以下すべて)

 これは、ある夏、フィンランド南部のサイマー湖に浮かぶ島の別荘を訪ねた時の風景だ。

 北欧を代表するカラーリスト、テキスタイルデザイナーとして1960年代から活躍しているリトゥヴァ・プオティラさんと家族は、毎夏をこの島の別荘で過ごしている。彼女は言う。「ここには自然な暮らしがあります。電気や水道がなくても、薪とランプと自然の水があり、家族や友人と過ごすかけがえのない時間があります」。

図版

別荘への玄関口、島の桟橋

 このような「電気も水道もない島暮らし」という夏の休暇は、北欧では一般的なものだ。実際に過ごしてみれば分かるのだが、別になんの不自由もない。料理には薪のオーブンがあるし、明かりはランプで十分(北欧の夏は日が長い)。島には井戸や雨水タンクがあるし、ミネラルウォーターを運んできてもいい。サウナに入り、汗をかいた後は湖に飛び込む。電気もいらない。電話は携帯電話だし、テレビなど見ないから。耳を澄ませば白樺林を渡る風の音がする。

参事官の彼女の場合

 ところで7月初頭、北欧のある国の大使館の参事官からメールが来た。「私、今月末をもちまして4年間の任期を終え帰国致します。後任者は10月初旬に着任の予定です。それまでのお問い合わせは大使館代表メールまでお送り下さい。Thank you and Sayonara」。聞けば、任期は7月末までだが、月の頭には休暇に入るらしい。しかも後任者は10月にならないと来ないとは……。

 一応触れておくと、彼国の大使館業務は特別のんびりしているわけではない。それどころか通常の対応は迅速かつ的確、しかも親切。彼女(参事官)も、その前任者も日本文化を熟知し、日本人以上に正しい日本語を話し、異分野(ビジネスやマスコミの第一線で活躍)からの転任にふさわしい広い視野と職業的展望を持つ超優秀な人々だ。

 さらに触れると、北欧諸国では妻(もしくは事実婚の妻)が海外赴任になると、夫(もしくは事実婚の夫)は大抵長期休暇を取るか、退職するかして、一緒にやって来る(逆もまたしかり)。一方が新境地でキャリアを充実させ、もう一方は主夫(主婦)として家庭を維持し、興味があれば大学などで勉強する。

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