中国台頭、商売に大革命
中国のインターネット人口は、推定1億5000万人と今や日本の総人口を上回る。年平均2000万人のペースで増え続けており、2010年代の前半には米国を抜いて世界最大のネット大国になると予想されている。

インターネット発祥の地、米国を凌駕する巨大市場の台頭。それは、世の中を変える新たなイノベーションが将来中国から起きる可能性を示唆する。
米グーグル、アマゾン・ドット・コムなどに草創期に投資したことで知られるシリコンバレーの名門ベンチャーキャピタル、クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ(KPCB)は今春、初の海外拠点を中国に設立。同社を率いるジョン・ドーア氏は「中国はあらゆる市場の母になる」と、中国発のイノベーションに大きな期待を示した。
兆しは既にある。中国の市場開拓で先行していた米国勢を後発の中国企業が抜き去る“事件”が相次いでいるのだ。その象徴が検索エンジンの「百度(バイドゥ)」とネット競売の「淘宝(タオバオ)」である。
2000年創業の百度は、中国語の検索精度の高さや音楽ファイル検索サービスなどで人気を集め、2004年にグーグルを抜いて中国トップに立った。昨年12月の市場シェア(トップページへのアクセス数)は66.3%と、2位のグーグル(18.1%)に大差をつける。

淘宝は、ネット上の企業間取引で世界最大手のアリババが2003年に設立した。売り手と買い手がチャットで商談できる仕組みや、取引の安全性を高めた電子決済サービスなどが支持され、先行した米イーベイをわずか3年で追い抜いた。2006年の市場シェア(総売買額)は48.1%で、イーベイ(25.6%)をさらに引き離した。
急拡大するネット広告市場でも中国勢が存在感を高めている。ネット広告掲載料の売上高上位4社は、すべて中国企業。外資系では5位のグーグルが最高だ。7位のヤフーは2005年8月、中国事業をアリババに売却した。
もっとも、こうした統計数字やニュースだけからは、中国のネットの最前線で何が起きているのかが伝わってこない。百度や淘宝はなぜ、グーグルとイーベイを抜き去ることができたのか。中国のネットユーザーに、米国勢にはないどんな価値を提供したのか。それは中国以外でも通用するのか。中国の台頭は日本のネット業界にどんな影響と変化をもたらすのか――。
次項では、中国最大のネット企業グループに成長したアリババの戦略から中国の電子商取引の現場を見ていく。
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