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「研究開発成果をベンチャー企業に注入し続けます」

  • 丸山正明

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2007年7月31日(火)

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 経済産業省傘下の産業技術総合研究所(以下、産総研)は、常勤研究者だけでも約2500人が研究開発に携わる日本最大級の公的研究機関である。日本の新産業・新事業興しの核となる技術シーズを作ることが使命であり、新事業興しを図る技術移転を積極的に進めている。その手段の1つが産総研の研究開発成果を基にしたベンチャー企業の設立だ。これまで70社以上の産総研発ベンチャー企業を設立し、現在も設立準備を進めている。

 設立した約70社の中で注目されるのが、有限責任事業組合(日本版LLP=Limited Liability Partnership)として2005年に設立されたエシキャットジャパン(ESICAT Japan,LLP 本社=茨城県つくば市)だ。産総研からベンチャー企業を創出する「産総研技術移転ベンチャー制度」を利用して設立された会社であり、経産省が策定した日本版LLP制度を活用した草分けでもある。

 産総研という公的研究機関が、日本版LLPを活用してベンチャー企業を設立する意味を、エシキャット・ジャパンの渡辺純一代表&CEO(最高経営責任者)に聞いた。

――どんな事業を進めているのですか。

図版

有限責任事業組合エシキャット・ジャパンの渡辺純一代表&CEO(最高経営責任者)

渡辺 炭化ケイ素(SiC)製半導体デバイスを作る際の“中間素材”となる「エピタキシャルウエハー」を供給する事業です。炭化ケイ素製半導体デバイスとは、現在主流のシリコン(Si)系半導体デバイスの次世代版となるデバイスです。

 半導体がうまく動作するには、原子がきれいに整列している、欠陥のない結晶が必要です。現在のシリコン系半導体も、ウエハー表面にエピタキシャル層という整った結晶層を作り、このエピタキシャルウエハーを基にデバイスを作っています。

 日本では、炭化ケイ素のウエハーを作製する事業に取り組んでいる企業が数社ありますが、そのウエハーにエピタキシャル層をつける事業に本格的に取り組んでいる企業はほとんどありませんでした。

――どうしてですか。

渡辺 そもそも炭化ケイ素ウエハーを事業化することがかなりの難問だったからです。日本でも多くの企業が炭化ケイ素ウエハーの実用化に挑戦し続けてきました。現在は、青色LED(発光素子)で有名になった米国のクリー(Cree)が炭化ケイ素ウエハーでは先行していると言われています。

 日本の大手材料メーカーも炭化ケイ素ウエハーの事業化に取り組み、結晶性が整ったウエハーを量産するメドをつけました。ところが、そのウエハーの上にデバイス製造に必要なエピタキシャル層をつける企業がありませんでした。エシキャット・ジャパンを設立した2005年当時の話です(注、現在は日本のデバイスメーカー1社がエピタキシャル層をつける開発を進めていると公表)。

――設立の経緯は。

渡辺 日本には有力な半導体デバイスメーカーが多数あります。いい炭化ケイ素ウエハーを供給できる材料メーカーも登場しました。この結果、この両者を結ぶエピタキシャル層を作製するメーカーが必要になりました。エピタキシャル層作製は炭化ケイ素ウエハーの価格を決める大きな要素と考えられ、炭化ケイ素製半導体デバイスの将来を大きく左右します。

 産総研は以前から、炭化ケイ素製半導体デバイスの優れた特性に着目し、研究開発を続けてきました。また電力中央研究所も、炭化ケイ素ウエハー上に優れたエピタキシャル層を高速・高品質で作る研究実績を持っていました。昭和電工も炭化ケイ素ウエハーの実用化に取り組んでいました。そこで3者が協力し合って、日本が炭化ケイ素製半導体デバイスの実用化で先行することを目指しました。

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