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曲がり角を迎えているカーナビ市場

  • 阿波村 聡

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2007年8月23日(木)

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 登場以来右肩上がりで拡大してきたカーナビゲーション(以下、カーナビ)市場だが、ここに来て成長が鈍化しつつある。カーナビ端末の国内出荷台数は2006年度に400万台に達した。野村総合研究所(NRI)では、今後も市場は拡大し続けるものの、今後5年の増加数は60万台程度にとどまると推定している(図1)。

図版

図1 2011年までのカーナビゲーション出荷台数予測
(資料出所:NRI)

 カーナビの記憶メディア別の内訳推移を見てみると、現在ではハードディスク駆動装置(HDD)の比率が6割以上であり、市場の主製品となっている(図2)。CD-ROMからDVD、そしてHDDへ、という記憶メディアの発展は、記憶容量や読み込みスピードといった基本性能の向上に寄与してきたが、HDDの普及で技術的な進歩が一段落した感がある。

図版

図2 カーナビゲーションのメディア別出荷台数の内訳推移。2007年の割合は、2007年4月時点の参考値を示す
(資料出所:JEITAデータより作成)

 また最近の傾向としては、純正品市場の割合が増加しており、市販品市場を大きく凌駕していることが挙げられる。純正品市場とは、自動車メーカーが自動車出荷時に装着、もしくはディーラーが自動車販売時に装着するカーナビの市場のこと。市販品市場とは、自動車購入後、カーショップ等で別途取り付けられるカーナビの市場を指す。

 純正品市場の割合が増えている理由としては、新車におけるカーナビの搭載率が向上していること、また、前述のように記憶メディアの進歩などが一段落して、市販品の技術的先進性が少なくなったことなどが挙げられる。さらに、各自動車メーカーが、純正品のカーナビを利用して渋滞情報などの各種情報を提供するサービス、「テレマティクスサービス」を開始していることも寄与しているであろう。

普及期を迎えるテレマティクスサービス

 携帯電話の普及と相まって、テレマティクスサービスが活発になっている。自動車メーカーは、既存のVICS(道路交通情報通信システム)情報に加えて、自社独自の渋滞情報・渋滞予測サービスやオペレーターを介したドライブ中の支援サービス、コンテンツサービスなどを、純正品のカーナビを通じて提供している。

 渋滞情報・予測サービスに関して1つの契機となったのは、ホンダが「インターナビ・プレミアムクラブ」サービスの一環として2003年に開始した「プレミアムメンバーズVICS」である。“プローブカーシステム”を利用して渋滞情報予測サービスを提供するものだ。

 プローブカーシステムとは、あるエリアを走行している多数の車両の速度情報や位置情報をセンターに集約して分析することで、渋滞情報の提供や所要時間の予測を行うシステムである。個々の車両から、直接携帯電話回線などを通じて情報が吸い上げられるため、VICSのように道路側にインフラを設置する必要がなく、多くの道路の情報をカバーできる。

 ホンダのインターナビ・プレミアムクラブの会員は、50万人を超えている。「目的地までどのくらいかかるのか?」、また「どの経路が最短時間なのか?」などを知りたいということは、多くの消費者にとって根源的なニーズだと言えよう。現在はトヨタ自動車の「G-BOOK」、日産自動車の「カーウイングス」においても、プローブカーシステムを利用した渋滞情報・予測サービスが提供されている。

 トヨタの「G-BOOK」では、「ヘルプネット」と呼ばれる、事故を起こした際に、自動的にセンターに車両位置を送信し、オペレーターが応答して救急車の手配などを行うサービスを提供している。またG-BOOKのサービスの1つである「G-Security」では、盗難に遭った場合にエンジン始動通知や追跡サービスなどを提供している。これらのサービスは、エンジン始動との連携や、通信モジュールなどの車載端末が外されないようにするなど、自動車メーカーだからこそ提供できるサービスと言える。

コメント1件コメント/レビュー

カーナビが単なる道案内からクルマ内の情報端末となった時点で、後付けのカーナビの将来はなくなった。それは、かつてのカーステレオやカーエアコンよりも圧倒的な動きだろう。むしろ趣味の世界であるカーオーディオの方がニッチな市場で残る。公的な道路管制が思うように発達していない現在、クルマが消費するエネルギーを節約するためにも、渋滞を避け、迷って余計な道を走らせず、開いている駐車場に案内して路上駐車をなくすなど、スムースな交通管制が求められる。この分野ではまだ利権が少なかったせいか、実質的に官から民への動きが進んでいると思われる。しかし輸出商品としての自動車のキーデバイスとしては、当面ドメスティックなものにとどまり、メーカーとしても大きくカーナビに注力することは難しいと思う。(2007/08/23)

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カーナビが単なる道案内からクルマ内の情報端末となった時点で、後付けのカーナビの将来はなくなった。それは、かつてのカーステレオやカーエアコンよりも圧倒的な動きだろう。むしろ趣味の世界であるカーオーディオの方がニッチな市場で残る。公的な道路管制が思うように発達していない現在、クルマが消費するエネルギーを節約するためにも、渋滞を避け、迷って余計な道を走らせず、開いている駐車場に案内して路上駐車をなくすなど、スムースな交通管制が求められる。この分野ではまだ利権が少なかったせいか、実質的に官から民への動きが進んでいると思われる。しかし輸出商品としての自動車のキーデバイスとしては、当面ドメスティックなものにとどまり、メーカーとしても大きくカーナビに注力することは難しいと思う。(2007/08/23)

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