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新たな壁に直面する韓国ヒュンダイ自動車

  • 武谷 匡城

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2007年8月28日(火)

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 飛ぶ鳥を落とす勢いで成長してきた韓国ヒュンダイ自動車が失速している。確かに、今年の第2四半期(~6月)の営業利益は3年ぶりの高水準で前年同期比40%増の5728億ウォンを記録したが、その利益の多くは好調な国内販売、マーケティング費用の削減、さらに容赦なくサプライヤーへ要求されるコストダウンがもたらしたものだと見ている。

 比較的に利益幅の大きな「グレンジャー」や「ベラクルス」といった中・高級乗用車やSUV(多目的スポーツ車)の国内販売が堅調に推移したことも営業利益押し上げ要因にはなった。しかし、ヒュンダイが直面する最大の問題は海外での販売が低迷していることだ。

 米国自動車販売を7月単体で見ると、ヒュンダイとその子会社である起亜ブランドは、「ソナタ」などの一部のモデルを除き、ほとんどの車種が前年同月比較で販売台数が減っている。また1~7月期通算でも、起亜自動車は若干増加傾向にあるものの、ヒュンダイは減少に転じている。

 米国市場に投入される車種は少しずつ増え、今年はヒュンダイ及び起亜ブランドともに8車種が予定されている。5年前と比較すると各社ともに2車種ずつ増えたことになる。車種構成も充実し、現地生産化も計画通り進み、北米事業も上げ潮に乗ってきたにも関わらず、販売が低迷し始めている。

 一言で表現すれば、ヒュンダイは「安い」と「手厚いワランティー」のイメージから「パワフルな車」と「高級車」へと変革しようと努めている。しかし、それを米国市場は認めようとしていない。

 ヒュンダイにおける消費者やディーラーが受け取る販売インセンティブ(注)は、1~7月期で見ると前年同期比で27%も減少しており、1台当たりの平均インセンティブはわずか1817ドルだ。トヨタ自動車の1105ドルやホンダの1150ドルに比べれば高いものの、マツダの1904ドルや三菱自動車の2950ドルに比べれば相当低い。一般的に新型車はインセンティブが少なく、よって新型車の投入数などの関係から一概に1台当たりの平均インセンティブ額が高い低いとは言えない。だがヒュンダイのインセンティブ額の推移を分析すると、低価格戦略から脱却しようとする表れと見るのが妥当であろう。

 ヒュンダイの「ソナタ」や「エラントラ」とその対抗車となるトヨタの「カムリ」や「カローラ」との自動車本体の価格差が縮小している。しかし、ブランドイメージが今もって向上しないため、下取り価格は低く抑えられてしまう。加えて、インセンティブが少なければ消費者は必然的にヒュンダイ車から離れてしまう。1~7月期の販売減はその悪循環の証しとなった。

中国でも苦戦するヒュンダイ自動車

 中国の自動車販売は、今年1~7月期に昨年同期比で24%も増加し、500万台を超えた。その勢いを逃すことなく、トヨタは67%増、ホンダは40%増と破竹の勢いで販売シェアを拡大している。一方で、ほとんどの自動車メーカーが増加傾向を示す中、ヒュンダイ、起亜はそれぞれ17%も販売台数を落としている。

(注)販売インセンティブ
米国の調査会社、オートデータの算出による。ディーラーがメーカーから受け取る販売奨励金、購入者に対する値引き(メーカー負担)、金利、リース契約助成金などを総合してドル換算し、全販売台数で割って算出している

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