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映画業界の改革は映画館から

  • 三宅 洋一郎,松尾 未亜

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2007年9月6日(木)

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 最近、ハリウッド大作映画のスクリーン数が増えている。今年公開された「スパイダーマン3」「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」等の大作映画は、国内で800スクリーン以上、さらに「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」は900スクリーン以上で公開されたと報道されている。

 日本の映画館の数は713(2006年12月末現在)であり、日本の映画館の数以上で上映されていることとなり、このデータの数値は間違っているのではないかという疑問が生じる。しかし、このデータは正しい。1つの映画館に複数のスクリーンを持つシネマコンプレックス(以後シネコンと略す)が、1つの映画を複数のスクリーンで上映しているからである。

 シネコンは米国で誕生し、1993年に日本に最初に誕生して以来、急激に増加した。日本のスクリーンの3分の2がシネコンによるものである。先ほどのハリウッドの大作が多くのスクリーンを押さえられるようになったのも、このおかげである。

 そこで、今回は今の映画業界にとって欠かせないシネコンについて注目し、今後の映画興行業界について展望することとする。

スクリーン数は増えても入場人員数が増えていない

 シネコンとは、日本映画製作者連盟の定義によると「1つの所在地に5スクリーン以上集積して名称の統一性を持って運営している映画館」のことである。このような形態を取ることで、1スクリーン当たりの運営コストを下げるとともに、消費者の選択肢を増やしている。また、座り心地の良い座席、スクリーンを見やすいような席の配置、食事の充実、オンライン予約の実現など、サービス面にも力を入れている。

 このようにシネコンは、従来の単館(スクリーンの数が少ない従来の映画館)と比較して、利便性が高く設備が良いため、当初から多くの入場者が訪れた。その成功を受けて、多くのシネコンが建てられ、順調に入場人員数を伸ばしていった。しかし、2001年以降、入場人員数は1億6000万人程度で横ばいの状態となっている。つまり、入場人員数の伸び率がスクリーンの増加率に対して低い。(図1)

図版

図1 映画館のスクリーン数と入場人員数の推移
2001年以降、入場人員数は1億6千万人程度で横ばいの状態となっている。
(出所:日本映画製作者連盟)

 この原因として、直近の映画館が都市部中心に建設されている点が挙げられる。シネコン登場直後は、映画館がなかった地域に建てられたため、これまであまり映画館に行かなかった人が訪問するようになり、入場人員数が増えた。しかし、最近は単館やシネコンがない地域が少なくなったため、既にシネコンや単館がある都心に新しいシネコンが建てられるようになった。

 結果的に、新しいシネコンができても、顧客が既存の単館やシネコンから新しいシネコンに移るだけとなってしまい、全体として入場人員数が増えなかったと考えられる。今後も新規出店が都市部だけで行われると、映画興行市場の成長余地は少ない。これは業界として大きな課題であり、新たな取り組みが求められる。

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