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欧米4メディアトップが語るネットの未来

CNNマネー、雑誌の再強化に走る

  • 木瀬 武

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2007年9月13日(木)

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 雑誌のコンテンツをウェブ上に公開するビジネスモデルは、今や欧米経済誌の常識となった。だが、「電子版」の強化は、紙を殺しかねない両刃の剣でもある。実際、そういう危惧を口にする米国のメディア関係者は少なくない。紙とネットの共存共栄は果たして可能なのか。

 本サイト「日経ビジネスオンライン」編集長の川嶋諭がニューヨークで欧米を代表する4つの経済誌の電子版トップと会い、メディアの未来を本音で語り合った。オフレコで語り合った部分が多く、すべてをお伝えできないのは残念だが、CNNマネー、エコノミスト・ドット・コム、フォーブス・ドット・コム、ビジネスウィーク・オンラインの4メディアが描く経済誌の未来はそれぞれ大変興味深い。4回に分けて紹介する。

ビベーク・シャー・タイム・インク・ビジネス&フィナンシャルネットワーク社長(雑誌とオンラインメディアの総責任者)
「雑誌とネットはゼロサムゲームではない」

 ビジネス・金融部門で最大級のウェブサイト、CNNマネー・ドット・コム。米出版大手タイム・インク傘下の「フォーチュン」や「マネー」など経済4誌が、親会社であるタイムワーナー傘下のCNNと共同で2006年1月に立ち上げた。各雑誌が固有のページを持つが、それらの入り口となるトップページを「CNNマネー」で統一し、ニュースや動画に強いサイトとして生まれ変わった。

川嶋 日経ビジネスオンラインを立ち上げるに当たって、日本の数年先を行く欧米メディアのネット戦略を実際に自分の目と耳で観察しようと、ニューヨークを訪れたのが今から2年ちょっと前でした。

 当時、CNNマネーが誕生する直前で、米国のダイナミックな動きと経営者の決断力に驚いたのを覚えています。しかし、今回、再びニューヨークに来てみて、さらに動きが加速したような気がします。

 CNNマネーを企画して大成功させた立役者であるシャーさんは、新しいプランをいくつも持っていると聞きますが、まず初めに、新聞や経済誌などニュースメディアの「電子版」の市場についてどうご覧になっているのかを聞かせてもらえますか。

ビベーク・シャー タイム・インク・ビジネス&フィナンシャルネットワーク社長

ビベーク・シャー タイム・インク・ビジネス&フィナンシャルネットワーク社長

シャー みなさんは、これからネットが紙を追い抜くと言っていますが、実は、数字上では既にネットが紙を追い抜いているんですよ。例えばウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の購読者数は150万から200万の間です。また、フォーチュン、フォーブス、ビジネスウィークなど米経済誌の購読者数は合わせて300万くらいでしょう。

 これに対して、WSJオンラインやCNNマネー、マーケットウォッチといったビジネスサイトの読者数は、全米で合計3000万を軽く超えていると思います。つまり、経済・経営の分野においては、オンライン読者の数は既に紙読者の数をはるかに上回っているのです。

川嶋 確かに読者数の伸びは著しい。しかし、収入源である広告については、まだ紙を上回るところまでは来ていませんね。

シャー 米国の広告市場の規模はおよそ2000億ドルです。そのうちネット広告は160億ドルを占めると言われています。市場全体に占めるネット広告の割合はまだ8%ということになります。

新聞は生き残るために雑誌化する

 しかし、広告の分野でもネットが紙を上回る日は近いと私は見ています。何しろ動きは速いのです。例えば、人々がメディアに接している時間のうちネットの占める割合はどのくらいになっているかご存じですか? 既に30%に達しているのです。

 それだけの時間を人々はネットを見るためにかけているわけですから、ネット広告が全広告市場の8%しかないというのは明らかな矛盾です。今ある8%と30%の開きが、どこかで収斂していくのは誰が考えても当然でしょう。

川嶋 ネットの急成長と裏腹に紙媒体が落ち込んでいく中で、「紙の衰退」を危惧する声が高まっています。紙媒体の時代は終わろうとしているのか、それとも何らかの棲み分けができてくるのか。それについてはどうお考えですか。

シャー ビジネス・金融の分野で、読者の新聞離れは避けられないと見ています。ニュースの主役はネットに奪われることになるでしょう。ネット上に流れる情報は、(意見や解説というより)ニュース的なものが多いので、現在の新聞の情報はネットに置き換わっていき、新聞は生き残るために、今後は雑誌に似た媒体に変貌していくのではないかと思います。

 ネットの発展によってストレートニュースを読者が得る機会が増えれば、人々はその情報の背景や全体像に興味を持つようになるからです。その結果、新聞は長く深い分析記事やオピニオンを増やして、雑誌に類似した記事構成にせざるを得ないでしょう。

 事件が発生したことをすぐに伝えるストレートニュースの入手先は、その機動性から言ってネットが最適の媒体であり、この点において新聞という媒体に勝ち目はありません。しかし、新聞社がこれまで築き上げてきたブランドは、ネットに転用すれば十分に通用します。

川嶋 確かに雑誌の方が新聞よりはネット時代への耐性があるのかもしれませんが、それでも発行部数や広告収入の減少は世界的に避けられない流れとなっています。雑誌の未来はどう見ていますか。

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