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ウェブについて直に話せる経営者、求む

(オーソリティ編-2)

2007年9月21日(金)

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広告はもともと、1人でやるものだ

―― ある商品をほかの人に売る時、その商品を作った人が、実はいちばん言いたいことも持っているはずです。つまり極論すれば、広告は作った本人が、自分でやれることではないか。その極論に呼応するようにウェブというメディアが登場しました。その中で吉田さんの、ブランドコンサルタント、ウェブ制作、アカウントプランニングといったお仕事は、どのような位置を保てるとお考えですか。

吉田望(よしだ・のぞむ)ノゾムドットネット代表取締役

吉田望(よしだ・のぞむ) ノゾムドットネット代表取締役
1956年東京都生まれ。東京大学工学部卒業。慶応義塾大学大学院経営学修士。1980年、電通に入社。営業局、ラジオテレビ局、電通総研、メディアコンテンツ統括調査部長、電通ドットコム取締役などを経て2000年に退社。ブランド・コンサルタント「ノゾムドットネット(吉田望事務所)」を設立する。ウェブ制作会社「コンセント」取締役。アカウントプランニングの専門会社「takibi」代表 (写真:大槻純一、以下同)

吉田 昔は広告業も1人でやっていたんですよね。お得意様も1人、広告屋も1人で、その人がコピーも書いて、メディアも手配して、「こんなのどうですか」と膝を突き合わせながらやっていたんです。それがマスメディアの発達とともに大規模になって、コピーを書く人、メディアを手配する人って、どんどん広告屋業が分業化されていきました。

 それはお得意様の方も同じで、生産部隊があって、宣伝部隊があって、と軍隊みたく編隊化してしまった。僕はもうちょっと昔の広告屋の時代に戻って、お得意様と僕らというのが、1対1でパートナーになり、相談に応じたり、足りないことをお互いに補ったりする必要があると思っています。

―― それはクライアントが内部でできるものではないのですか。

 もちろんお得意様は日々、自分自身でそれをやっているのですけれど、やはり時間的な制約もあるし、情報量も少ない。その点、社外にいる僕は「こういう成功事例がある」「これを真似した方がいい」「これがうまくいく」といった提案ができます。

 それを集団戦ではなく、互いの顔が見える個人的な関係で進めていくメリットというのは、今の時代に大きいと思いますね。そういう場があると、「じゃあ、今度、コピーを10案ずつ持ち寄りましょうよ」みたいなコミュニケーションができるでしょう。そういうふうになっていった方がいいと思うし、まあ、なっていくんじゃないかなって、僕は考えています。

―― たとえば電通の中にも、そういうことに対応するセクションがありそうですが。

意表を突く面白さがあるか

 電通にもありますが、前に言ったように、電通の場合はネット専業にマンパワーをかけるビジネスモデルはないんですよ。

 もちろんトヨタや花王のような大口のクライアントであれば、その年間広告予算の中で、ネットのチームを組んだりはしますよ。でもそれは、僕のようにクライアントの経営戦略まで踏み込んでウェブを構築する、という仕事とは違う。大手広告会社のウェブクリエイターの動機は、そういう大手企業のチームの一員となるか、カンヌ国際広告賞で賞を取るかのどっちかです。

―― そこが吉田さんのアドバンテージにつながるわけですか。

 はい。同じモデルでやっている人たちが、あまりいないことが僕のアドバンテージですね。

―― 吉田さんのフィーはどこで発生するのですか。

 経営戦略のパートナーになるには、会社の状況や問題、課題をきちんと理解していないと。それを把握するために時間を費やして勉強して提案するわけですから、そこにフィーを付けていただくことにしています。通常のプロダクションというのは、そういうことは、まだほとんどしないんですね。

―― クライアントが、吉田さんに説得されるポイントはどこだと思いますか。

 クライアントの皆さんは大手広告会社レベルの、優秀なサービスを受けたいと思う。それは当然のことです。ですので、僕らはそれとほぼ匹敵するものを提供します。電通出身ですから、僕らは広告とメディアの構造が見えています。しかも、僕らはメディア・ニュートラルです。電通の場合は「これをやりますから最低10億円ください」となりますが、僕らは「毎月50万円をかけて、まずウェブから始めましょう」、と(笑)。

―― 逆に、ウェブの弱点というのは意識されますか。

 ウェブの弱点? 弱点はいろいろありますよね。一つは、ウェブ業界にいるクリエイターで、本当に質のいい仕事ができる人は限られていること。デザインの仕事に関して言えば、紙をきちんとやっている人のレベルはすごく高いですよね。いわゆるグラフィックを手がけるアートデザイナーとウェブクリエイターの技量を、同じ目で計っちゃいけないのかもしれないけれども、デザイン技能的に高くない、またクライアントもそこに対価を支払わない、というような現実はあります。

 それから、今言ったことに関係ありますけれども、ウェブサイトは、お得意様の言っていることに即して、堅くまじめに作る、あるいはソリューションとして作るということは多いんだけれども、それ以上の意表を突く面白さを打ち出す企画が少ない。ウェブというメディアだって、テレビと同じように、人をあっと言わせるプレゼンテーションをする要素も必要だと思うんですね。そのあたりを突破するには、右脳が要求されるけれど、そこを企画して考える能力が、まだウェブ業界には少ないですよね。

―― 今、流行しているのが、とにかくまずテレビCMでオンエアした最後に「詳しくはウェブで」という手法です。あれに関してはどのように思われますか。

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「ウェブについて直に話せる経営者、求む」の著者

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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