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欧米4メディアトップが語るネットの未来(2)

エコノミスト、ネット公開で雑誌部数も伸ばす

  • 木瀬 武

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2007年9月20日(木)

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 雑誌のコンテンツをウェブ上に公開するビジネスモデルは、今や欧米経済誌の常識となった。だが、「電子版」の強化は、紙を殺しかねない両刃の剣でもある。実際、そういう危惧を口にする米国のメディア関係者は少なくない。紙とネットの共存共栄は果たして可能なのか。

 本サイト「日経ビジネスオンライン」編集長の川嶋諭がニューヨークで欧米を代表する4つの経済誌の電子版トップと会い、メディアの未来を本音で語り合った。オフレコで語り合った部分が多く、すべてをお伝えできないのは残念だが、CNNマネー、エコノミスト・ドット・コム、フォーブス・ドット・コム、ビジネスウィーク・オンラインの4メディアが描く経済誌の未来はそれぞれ大変興味深い。4回に分けて紹介する。第2回の今回はエコノミスト・ドット・コムのベン・エドワーズ発行人。

エコノミスト・ドット・コム、ベン・エドワーズ発行人
「オンラインは雑誌部数増の起爆剤」

 雑誌の世界に吹き荒れるネットという大嵐。欧米や日本の大手経済誌は、ことごとくその波に翻弄され、広告収入を激減させている。

 しかし、その中で荒海をものともせず部数も売り上げも大きく伸ばしている雑誌がある。英国の経済誌エコノミストだ。

 つい最近まで、雑誌のコンテンツをネット上に掲載することに対しては極めて消極的だったが、その方針を180度転換した。

 社内で長い時間をかけて侃々諤々の議論を戦わせた結果、2007年6月から全誌面をネット上で無料公開することに決めたのだ。130年以上の歴史を持つエコノミストにとっても歴史的な大冒険と言えるかもしれない。

 その理由はなぜなのか。エコノミストの電子版を統括するエコノミスト・ドット・コムのベン・エドワーズ発行人に聞いた。

* * *

川嶋 ネット上へコンテンツを公開するのは時代の流れとはいえ、エコノミストがコンテンツの無料開放に踏み切ったことには本当に驚きました。

 米国の雑誌は購読料収入よりも広告収入の方が大きく、ネット上にコンテンツを公開しても比較的影響は少ないと思います。しかし、エコノミストは購読料収入も多いので、ネットへの公開で部数が下がるようなことがあれば、経営に直接結びついてしまいます。

 エドワーズさんは日本に住んでいたこともあると聞いているので、もしかしたらご存じかもしれませんが、清水の舞台から飛び降りるような気持ちだったのではありませんか。地上何十メートルもある高台から飛び降りるような気持ちです。

エコノミスト・ドット・コム、ベン・エドワーズ発行人

エコノミスト・ドット・コム、ベン・エドワーズ発行人 (写真:丸本孝彦、以下同)

エドワーズ おお、それは怖い(笑)。実は、一気に無料公開したのではなく、昨年8月と今年6月の2段階を経て全面公開に至りました。現在、エコノミスト誌に掲載している記事は掲載日から1年間、ネット上で誰でも無料で読めるようにしました。

 1年経過するとアーカイブに入り、プレミアムコンテンツとして保護がかけられます。このプレミアムコンテンツは雑誌購読者だけに与えられた特典となり、購読者だけが過去記事を自由に閲覧、検索できます。

 確かにネット上に全コンテンツを公開しましたが、このようなサービスによって、エコノミスト・ドット・コムが雑誌に付加価値を与えているとも言えるのです。

川嶋 確かに、ネットに載せることで、検索が自由に利くというのは大きな利点です。日経ビジネスオンラインでもこの検索機能に力を入れています。ただ、それだけで雑誌の購読者は満足してくれるのでしょうか。

エドワーズ やはり最初は不安があって、一部の記事に限定して公開しました。雑誌に影響のほとんどない一握りのコンテンツを無料公開して、電子版のアクセス数が増えることを狙ったのです。

 その狙いは的中しただけでなく、雑誌にも利点があることが分かってきたのです。例えば、読者が記事にリンクを張ってそれを知人と共有してくれれば、口コミマーケティングになります。これもコンテンツを無料公開していなければできないことです。ネットは雑誌の集客力という意味でも有効なマーケティングツールだということが分かってきたのです。

 その経験を経て2007年6月、我々はエコノミスト誌のすべてのコンテンツをネット上で無料公開することに決めました。

 その際、ただマーケティングツールだという理由だけではなく、本当に雑誌に悪い影響を与えないか、徹底した読者の意識調査をしました。その結果、雑誌のコンテンツをネットで公開しても、雑誌の販売部数には影響を与えないと判断しました。

 ただし、現時点では、これはまだ予想に過ぎません。実際に効果が出てくるのは数カ月~半年、1年先だと思います。ただ、はっきりしているのは、ネットを運営する側だけがやろうと言ってもできなかったということです。雑誌側の理解がなければ、無料公開に踏み切ることはできません。

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