• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ビジネスモデルの変更は不可避である

称賛に値する東芝の挑戦的経営

  • 宮田 秀明

バックナンバー

2007年9月28日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 東芝による米原子力大手ウェスチングハウス社(WH)の買収は、リスクを負った大きな経営戦略だが、別の見方をすれば、これは東芝の原子力事業におけるビジネスモデルの変更である。

 そもそも原子力発電の基本技術は欧米各社が開発したものだ。WH社は、加圧水型原子炉(PWR)を開発・実用化した企業である。もう40年以上も前、東芝はそうした欧米技術を導入した発電プラントを製造するビジネスを始めた。以来、日本のほかの原発メーカーと同じく、欧米企業にロイヤルティーを払い、技術面で隷属する経営を続けてきた。

 しかし、1979年の米国スリーマイル島の原発事故をきっかけに米国の原子力発電事業が低迷し、米国における関連企業も原子力関連の大学教育も空洞化していった。その間にも、東芝は日本国内で地道に応用技術を磨いていた。そして資本戦略を発動し、基本技術を持つ米国の企業を傘下に収めることによって、経営と技術の従属関係を逆転させたのだ。これは資本と技術の両方を生かしたビジネスモデルの変更である。

航空機産業では“製造下請けビジネスモデル”が中心

 原子力発電と同じように、欧米の基本技術を導入し、その改良と実施を延々と続けている製造業のビジネスモデルは多い。航空機や船舶のエンジンがいい例だ。設計技術や改良技術や製造技術では、もうすでに日本企業が優位にあるのに、何十年も相も変わらず、基本技術を持つ欧米企業との隷属関係を継続してロイヤルティーを払い、下請けメーカーのような存在に甘んじている。こんな風に技術面で隷属するビジネスモデルを変更できない製造業が多い中での、東芝の挑戦的な経営は大きな称賛に値するものだ。

 航空機産業では、そんなビジネルモデル以下の、単なる下請けビジネスモデルが中心的である。「機体の3分の1を任された」とか「主要部分である主翼を任された」といって喜ぶのはもうやめにしたい。“製造下請けのビジネスモデル”以上ではないことを経営者はしっかり認識して、東芝の製造業ビジネスモデルの変革に学ばなければいけない。

 日本の製造業の多くは、ビジネスモデルの変更が必要である。成功するビジネスモデルの変更にはいろいろなパターンがある。今年6月にインタビューした三井海洋開発のように、製造下請けから脱却し、上流のビジネス、つまり国際石油企業の事業主体になるとともに生産設備を自ら保有してチャータリング事業を開始した例もある。

コメント5

「宮田秀明の「経営の設計学」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

大量陳列、大量販売というのがある程度限界にきているのかなと思います。

松﨑 曉 良品計画社長