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ビジネスモデルの変更は不可避である

称賛に値する東芝の挑戦的経営

  • 宮田 秀明

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2007年9月28日(金)

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 東芝による米原子力大手ウェスチングハウス社(WH)の買収は、リスクを負った大きな経営戦略だが、別の見方をすれば、これは東芝の原子力事業におけるビジネスモデルの変更である。

 そもそも原子力発電の基本技術は欧米各社が開発したものだ。WH社は、加圧水型原子炉(PWR)を開発・実用化した企業である。もう40年以上も前、東芝はそうした欧米技術を導入した発電プラントを製造するビジネスを始めた。以来、日本のほかの原発メーカーと同じく、欧米企業にロイヤルティーを払い、技術面で隷属する経営を続けてきた。

 しかし、1979年の米国スリーマイル島の原発事故をきっかけに米国の原子力発電事業が低迷し、米国における関連企業も原子力関連の大学教育も空洞化していった。その間にも、東芝は日本国内で地道に応用技術を磨いていた。そして資本戦略を発動し、基本技術を持つ米国の企業を傘下に収めることによって、経営と技術の従属関係を逆転させたのだ。これは資本と技術の両方を生かしたビジネスモデルの変更である。

航空機産業では“製造下請けビジネスモデル”が中心

 原子力発電と同じように、欧米の基本技術を導入し、その改良と実施を延々と続けている製造業のビジネスモデルは多い。航空機や船舶のエンジンがいい例だ。設計技術や改良技術や製造技術では、もうすでに日本企業が優位にあるのに、何十年も相も変わらず、基本技術を持つ欧米企業との隷属関係を継続してロイヤルティーを払い、下請けメーカーのような存在に甘んじている。こんな風に技術面で隷属するビジネスモデルを変更できない製造業が多い中での、東芝の挑戦的な経営は大きな称賛に値するものだ。

 航空機産業では、そんなビジネルモデル以下の、単なる下請けビジネスモデルが中心的である。「機体の3分の1を任された」とか「主要部分である主翼を任された」といって喜ぶのはもうやめにしたい。“製造下請けのビジネスモデル”以上ではないことを経営者はしっかり認識して、東芝の製造業ビジネスモデルの変革に学ばなければいけない。

 日本の製造業の多くは、ビジネスモデルの変更が必要である。成功するビジネスモデルの変更にはいろいろなパターンがある。今年6月にインタビューした三井海洋開発のように、製造下請けから脱却し、上流のビジネス、つまり国際石油企業の事業主体になるとともに生産設備を自ら保有してチャータリング事業を開始した例もある。

コメント5件コメント/レビュー

まだまだ日本の会社は市場と競争相手として日本の国内だけを対象とする傾向が強すぎる、新しい事を始めるにも日本国内を対象としているから世界に通用しないものを創る事がある。日本の国内である程度の市場があることに安心しているのではないか。最近国内市場が小さい韓国、台湾に市場を取られている事も耳にするが経営者は相手を良く考えて欲しい(2007/10/01)

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まだまだ日本の会社は市場と競争相手として日本の国内だけを対象とする傾向が強すぎる、新しい事を始めるにも日本国内を対象としているから世界に通用しないものを創る事がある。日本の国内である程度の市場があることに安心しているのではないか。最近国内市場が小さい韓国、台湾に市場を取られている事も耳にするが経営者は相手を良く考えて欲しい(2007/10/01)

日本人は事業を海外で展開することにとても臆病だと思う。全く新しい事にも挑戦することをためらう。韓国にこの面で追い越されているし、シンガポールにはいろんな面で追い越され、もう相手にされてない。スターバックスコーヒーやマクドナルドなど日本の企業も同じ方面で挑戦したらいいのに国内で満足しているし、TOTOやINAXも勇気がなくて海外に出るのが遅くなった。自動車や電気製品では同じような競争会社が集中し過当競争を引き起こし、銀行や証券は金融技術が劣る。外国のいいところはどんどん取り入れるということもだんだんなくなってきた。  日本の腕時計は中級品以上はデザインの面でいまいちで国産品愛用者になりそこねている。トップがその気になればなんとかなりそうなものだが・・・携帯電話の普及で腕時計はもう必要なくなりつつある。結局はトップの資質の問題なのだろう。経済ばかりでなく政治家も世界のトップクラスと比べてレベルが低すぎる。 アメリカや中国に便利に利用されるばかりで国益を考える有能な政治家がいないのが残念!血税を外国のためじゃなく、まず国民のために使え!(その割に政治家の待遇だけは世界トップクラス)企業が覚悟を決めてどんどん海外に出ていかなければ日本は先細りだ。(2007/09/29)

確かに宮田先生の言われている「新しいビジネスモデルの創出と実行」は大事だが、そればかりを強調すると、過去の成功体験から得られた「良いDNA」を失うことになりかねない。過去の成功体験と書くと、なにかしら悪いことのように思われるが、成功している企業には、必ず共有されている「教え」が残っており、それを失ってはいけない。(2007/09/29)

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